第37話:死後戦争・7
「私が来たことで敵は負け確定やないかい?」
「まだわかんねーよ。まあ、とりあえずAI狩りしよう」
「了解」
川西と成清は破壊された天守閣の1階下で対物ライフルを撃ってAIを屠っていた。
「エリカはどこ行ったんや」
「あいつは接近兵の奴らに混ざった」
「あそ」
「この戦争が終わったら東京の陸軍になれるかな。神磁路大佐が見てるし」
「それはわからん」
「じゃあ、神磁路大佐に頼んどいてーや。私がトーキョーの陸軍になれるように」
「それは俺が頼んでも結果は一緒だと思うが」
「まあ、お願い」
「まあ、とりま集中しよーぜ」
「今お前優しくスルーしたやんな」
「まあ、そんなことはどうでもよくね」
敵では
「どうしようか。これじゃあ、負け確定だな。誰か局面を変えれる奴はいないのか」
「では、私が行きます」
そういって出たのはエリカの姉、松本あかり大佐だった。
「行ってくれるのか」
「はい、私が行きます」
「わかった。お前にはこれとこれがよく似合う」
渡したのはステアーAUGというアサルトライフルと一振りの光剣だった。
ステアーAUG、オーストリアのシュタイヤーが開発したプルハップ式アサルトライフルである。
色々なアサルトライフルの中でも特殊な形をしていて装弾数が30~42発で、口径は5.56㎜、使用弾薬は5.56×42㎜NATO弾を使う。発射速度は650~840発というほかの銃と負けるに劣らないもので、取り回しがよいので有名である。
そうして、それらを装備して
「では、行ってまいります」
「おい、走ってなんか来たぞ」
成清がGM6リンクスのスコープを覗きながら言う。
「じゃあ、それを撃ってくれ」
ダガァン
成清が撃つ。その弾はやがて音速まで加速してあかりに当たると誰もが予想したが、
「「斬った」」
「あの音速まで加速した弾をあのおもちゃみたいな剣で斬ったゆうんか」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタン
「反撃が来た」
弾が川西と成清の数センチ前を通り過ぎる。
「あの射撃精度、人間離れしてる」
「リンクスの銃身が縮んであっちからは見えてないのに」
「しかも、あいつの持ってる銃はAUGなんや。敵に回すとめんどくさいようになんぞ」
「というかもう敵じゃん。っていうか俺もそいつの姿見ていいか」
「別に」
川西がスコープを覗く、見ると
「あいつ、どこかで見たことあるぞ・・・あっ、わかった!エリカの姉だ!名前はあかり」
「ってことはいいもんが見れそうやな」
「ああ、あかりの前のAIを全員廃物にしたら城門を閉めるように言ってくれ。姉妹対決をさせてやろう」
「わかった。でんれーしとくわ」
そうしてその伝令が伝わった。
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