第16話:事件
車に乗り込もうとすると足元にジュース缶の四分の一の大きさの缶が転がってきました。
「これ、なんだろうな。」
私がそう言いながら拾い上げたところ、
プシュー
という音とともに煙が出ました。
私が驚いて地上に落としました。すると、別の男子の声。
「みんな伏せろ!」
私たちは煙が収まるまで伏せました。そうして煙が収まりました。
「あれ、エリカはどこに行ったんだ。」
私が周囲を見渡しながら言います。そうすると藤田の足元に紙切れが落ちてありました。
私が読みます。
「拝啓、あなたたちへ
私たちがこの子をさらいましたので誰かひとりいけにえを自分たちから選んで13時までに熊本城の入り口に来させなさい。」
まじか、エリカがさらわれるとは予想もしていなかった。しかもいけにえを一人だと。
「おい、鋭。熊本に福岡県の奴と山口県の奴が向かってる。」
ラッキーだ。そいつらの一人として潜り込もう。
「ああ、わかった。とりあえずショッピングモールへ入ってくれ。」
「なぜだ、鋭?」
「とりあえず、これを読んでくれ。」
私がその紙を藤田達に渡す。
「読んでもわけがわからないよ。鋭」
「女装をするんだ。俺たちのことはあれを投げた時に姿を見ているだろうし。だからだよ。」
「わかった。じゃあ、僕の妻も一緒に行ったほうがいいんじゃないかい。」
「いや俺が一人で行ったほうがいい。君の妻の姿ももうばれてるだろうし君が女装して行ったとしても
君の妻は運転がド下手だろう。」
「ああそうだ、」
「もう、そんなこと言わないで。」
「まあとりあえず近くのショッピングモールへ行ってくれ。」
「了解。鋭」
そうして、ショッピングモールに行ったのだった。
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