朝焼けに消えた幻

柳の下

伯母の幻影

 これは僕が小学4年生の時の話です。


 お盆ということもあり、一人で母の実家に泊まりに行きました。

母の実家は僕が住んでいる市内にあり、車で30分の距離で行ける、のどかな田舎の集落でした。

 祖母の家には伯母一家が住んでおり従兄弟もいましたが、従兄弟と遊ぶより、祖母の家は広く、庭もあり、庭で飼っている犬たちと遊ぶのが楽しかったのを覚えています。


 お泊り初日、15時ぐらいに祖母の家に着き、それから2時間程犬たちと遊び、庭で冒険をしたりしました。

祖母の家に帰ると、そこには仕事から帰ってきた伯父がいました。

 それから夜ご飯を食べ、風呂に入り従兄弟と花火などして遊び、1日が終わりました。





 この日までは普通の1日だったのですが...




 次の日の朝、早起きをして庭で犬たちと遊んでいました。

 

 遊んで30分くらいたったでしょうか?


 祖母の家から伯父が出てきました。

ゴルフに行く服装とゴルフバッグを持っていたので、


  (ゴルフに行くんだな…)


と遠目から見ていると、後を追うように伯母が室内犬を抱っこして伯父と会話をしていました。


 僕からは伯父たちとは距離もあり、会話の内容が全然わからなかったのですが、今思うと普通に聞こえる位置に自分はいたのを思い出しますが、この時は全く聞こえなかったのです。


 それに、伯母は朝焼けのせいか、伯母とは認識できたのに逆光で、はっきり見えなかったです。


 数分後、伯父の車は発進し、伯母も家の中に戻りました。



 僕はまだ遊びたくて犬たちと15分ぐらい遊んでいました。



 祖母の家に戻った、僕は階段から下りてくる伯母に出会い「おはよう」と挨拶をしました。伯母に見送りのことを聞くと、伯母は不思議そうな顔をして言いました。


 「私は今起きたばかりよ…?それに外なんて行ってないけど…」


僕は疑いながら


「嘘だ!さっきおじさんの車に手を振ったじゃないか!」


と反論しましたが、結局知らないといわれ納得ができませんでした。

 伯父が帰ってくる前には親が迎えに来たので、伯父に聞くことが出来ませんでした。


 


 結局、あの伯母は何だったのか?その正体を知ることはできませんでした。


 伯父はその日から3週間後に亡くなってしまったからです...


 伯父は脳梗塞で亡くなったと聞きましたが、祖母の家は霊道が通っており良くないものがたまりやすいと聞きました。その良くないもの仕業ではないかと考えています。

伯父の死後、飼っていた犬はすべて不審な死をとげ、祖母も10年後には寝たきり、になりいろいろとよくないことが起こりました。



 以前から祖母の家には霊が出たという話もあり、お祓いをして、結界を作ったそうですが壊してしまったそうです。


そのせいか、封じていた悪霊が悪さをして伯父を連れていったのではないかと思います。



 


 

 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

朝焼けに消えた幻 柳の下 @ooskask364

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ