花の香りのする貴方

 学校帰りの図書館で、私はいつも貴方の姿を探してしまう。


 背が高くて。

 太陽みたいにキラキラした金の髪が眩しい。

 細長い指が頁を捲る所作さえ、うっとりするほど美しくて。

 文字を追う茶色い瞳が、一瞬でも良いからこちらを見てはくれないかと期待してしまう。

 

 今日は貴方の方から、私の正面の席に座ってくれた。

 いつもと同じ、花の香りがする。私の大好きな金木犀の香り。


 やっぱり貴方は、お花の妖精さんみたい。

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