理力甲冑紹介・4
理力甲冑紹介・4
・グラントルク
ユウと同じく別の世界から召喚されたシン・サクマが駆る理力甲冑。
漆黒の分厚い装甲と、長大な槍を持つ重量級の機体。帝国軍から鹵獲したステッドランドを研究目的で分解、改造して作られた為、事実上のシン専用機。
ステッドランドベースの
その分厚い装甲は並の攻撃では傷つかず、特に厚い胸部装甲はゴールスタに次ぐ厚みである。もはや理力甲冑用の自動小銃では至近距離ですら貫通せず、レフィオーネが持つブルーテイル級の火力でなければ有効打を与えられないだろう。
グラントルクが持つ槍の銘は「
その見た目と漆黒の装甲、シンの類稀なる操縦技術から一部では黒騎士などと呼ばれている。実際、槍を構えたグラントルクは一機当千の強者と化す。
・ゴールスタ
帝国軍の猛将、ドウェイン・ウォーの愛機。その山のような巨躯とパワーは圧倒的。
理力甲冑の限界まで装甲を厚くし、人工筋肉を搭載することに主眼を置いた機体。その結果、ベースとなったステッドランドの原型がまるで分からないほどの重装甲と出力を得ることになった。
武装はドウェイン専用の戦鎚。パワーのあるゴールスタが振るう事で強力な一撃となるが、本機体の最大の武器はやはりその重装甲だろう。並大抵の攻撃を物ともせず、その豪腕で殴られればステッドランドすらバラバラになってしまう。
非常に強力な機体ではあるが、その反面、弱点も多い。
まず、その重量ゆえに膝や腰など関節部の負担が大きく、戦闘ごとに専門の整備士が点検と修理を行わなくてはならない。規格外の重量のため汎用部品はあまり使えず、殆どがゴールスタ専用の高品質を使用しなくてはならないのである。
それに伴い、戦場までの移動にも大変な労力を必要とする。通常、理力甲冑の長距離移動は船、または分解して専用の馬車に積み込んで運ばれるが、ゴールスタはその重量と劣悪な整備性から基本的に徒歩で移動しなくてはならない。しかも、ぬかるんだ土地や砂漠は自重で沈んでしまい、河川や切り立った崖は近づく事すら出来ない。
ドウェインの豪快な戦い方と相まって、帝国臣民からは一種の英雄的扱いを受ける機体でもある。
・紫紺号
ユウと同じく、別の世界から召喚されたスバル・ナガタの専用機。刀を操る侍のような機体。
パーソナルカラーは名前の通り、濃い紫。濃紫の機体。スバルの希望により二振りの刀を装備した日本刀による接近戦重視の機体。身軽に動く為と、刀を自在に操るため関節周りや一部装甲を軽量化。かなりの重量減になったが、当然防御力はかなり低い。
元は帝国軍ステッドランドの鹵獲機。ケラート陥落前は通常状態のステッドランドに特注の刀を装備していただけだが、撤退時による損傷の修理ついでにアルトスの街で改装された。
徹底的な装甲の排除により通常のステッドランドよりも軽く、素早い。そしてどことなく武者のような装甲に交換。背面側の装甲は極力削っているため、関節周りの一部は人工筋肉が見えている。
日本刀(
見た目は通常の日本刀に近い。アルトスの職人がスバルの日本刀製法を聞きながらなんとか打上げた作。理力甲冑用の剣とは異なり、切れ味重視の刀剣なのでステッドランドの腰部くらいならばフレームごと切裂く。銘は森羅。「森羅」は樹木が限りなく茂り並ぶこと。
脇差(
見た目は通常の脇差に近い。森羅よりも短い。その為、取り回しが良く、防御や咄嗟の攻撃、組付きからの攻撃に使われる。
肩部短槍発射装置
一種の隠し武器。肩の装甲が二つに割れ、そこから
本機の戦法は至って簡単。日本刀・森羅で敵に斬り込むだけである。しかし、スバルの技量と紫紺号の軽さが合わさり、軽やかな歩法で敵へと近づく。基本的に敵の攻撃は全て紙一重で回避する運用思想。そして切れ味抜群の森羅と万象で敵を真っ二つにするのだ。
・ファルシオーネ
単独飛行可能なレフィオーネを基に、連合軍が制式に量産化した理力甲冑。
背部の理力エンジンで圧縮された空気を肩部と腰部のスラスターから噴出することで空を自在に飛行出来る機体。
レフィオーネとは異なり、装甲がいくらか厚くなっている。これは理力エンジンの出力とスラスターの最適化により推進力が増した為であり、最高速度や旋回力などを含めた全体的な性能も向上している。
武装は主に理力甲冑用の自動小銃。帝国軍側に迎撃機のような航空戦力が無いこと、対空火器が未成熟なこともあって上空からの一方的な攻撃が可能。また脚部にコンテナや爆弾を懸架する事もでき、爆撃機のような運用も可能である。
ちなみに、ケラート奪還作戦において紫紺号を大破させてしまったスバルは新たにファルシオーネの隊長機を受領している。このファルシオーネ改は全体的な性能の底上げと通信能力の強化、そして彼専用の武器である森羅と万象の刀を装備している。
ファルシオーネ改が近接武器を装備しているのは、近い将来に帝国軍が開発するであろう飛行型理力甲冑への対策に基づくもの。いわゆる戦闘機のような敵航空戦力を叩く為の雛形として、各種実戦データ取得が主な目的である。
・カゲロウ
帝国軍皇帝直轄部隊、侍衆専用の理力甲冑。
帝国でも最強の理力甲冑部隊と言われる侍衆。その風貌はまさに戦国時代の鎧武者といった趣きで、兜に胴、草摺と佩楯と、通常の理力甲冑よりも軽量かつピンポイントな装甲を持つ。これにより身軽で可動範囲の広い機体となった。
装甲が非常に薄いため、並の操縦士では被弾が即ち戦闘不能に繋がるのだが、彼ら侍衆の操縦技量を以てすれば銃撃は躱すか切り払ってしまうので問題にならない。むしろ、機体重量が増すことで刀や大太刀を鋭く振るうための踏み込みが鈍くなることを嫌う操縦士がいるくらいである。
武装は主に日本刀。稀に大太刀を佩いている機体もいる。戦闘力の殆どを操縦士の技量に依存するため、機体としては非常に簡素な造りをしている。また、装甲面積が少ないので関節周辺などは人工筋肉が露出してしまうのだが、カゲロウは全身の人工筋肉をゴム質のカバーで覆う事で砂塵やちょっとした傷から保護する。このカバーは魔物の皮をなめしたもので、伸縮性と防水性に優れ、多少の衝撃を和らげる働きを持つ。
その機体コンセプトからスバルが搭乗していた紫紺号と似通ったシルエットをしている。どちらも軽量かつ軽装甲、そして刀による一撃離脱という戦法。ある種、理力甲冑の原点であり、接近戦の最終系がこのスタイルなのかもしれない。
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