第17話
「部長。お願いがございます」
「どうした、おいちゃん。いつになく低姿勢だ。恐ろしい。言いたまえ」
「出張は自分1人で行かせてください」
「何故だ。私の心配りを一蹴するとはようやく悪夢から目覚めたか。かんちゃん以外にも世の中には美人がいる、おいちゃんならよりどりみどりの入れ食い状態だ。安心したぞ」
入れ食いとか言うな、クズ! 言葉を選べ部長だろ!
悪夢を見たのは事実だけど。
「では、単独で」
「却下する」
は?
「きみより先に打診したものがいた。もしも、きみが単独行動を志願したら今後の営業活動に支障を来すと相談して来た、実に愛くるしいものだ」
あいつ!
悪魔なのか、先読みが過ぎる!
「コンビを組む以上、常に行動を共にしたいなど、そうそう言って貰えないぞ。何だ、両想いか。許されないぞ背徳感を覚えろ、おいちゃん」
畜生、あの野郎!
「いつ口説いた。何故に落とした。かんちゃんはアイドルだと散々言い渡したはずだ。傷をつけないうちに別れろ、いや、交際を断固として認めないから諦めろ。かんちゃんを悪夢から解放しろ!」
解放されたいのはオレです、部長。
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