第6話

「営業に出るなんて嬉しいです、生田主任! でもどうして上京主任も?」

こいつ話を聞いていないのか面倒くさい。

オレが嫌気さすと上……「運転しろ、きのこ!」もう怒った。

「僕は生田主任の指示で動きます」

うわ。面倒くさい。

「はあ? 生意気だな」

おまえが怒ると圧があるんだ、止めてくれ。

「相手にするな、上京。半日の我慢だ。おい、き……瀬戸。運転」

「はい!」

うきうきしながら乗るなあ、このきのこ。自生だから車が珍しいのかな。

「あれ? これって」

「免許、ATか?」

「はい。マニュアルは運転した事がありません」

まあ、きのこだからな。

「生田、運転な」と上京が助手席に座った。

「ああ」と乗り込んだら「え? 僕が助手席じゃないんですか?」ときのこが騒ぐ。

なんだこいつ。

「うわ、でもお2人揃うとオーラが凄いですね、流石は綺麗どころ」

うるさいきのこだ。

朝会っただろうに記憶が無い。ああ、きのこには脳が無かったな。

「置いて行こう」

上京、言ってやるな。

「瀬戸、早く乗れ」

「あ、はい」

だからおまえは後ろだきのこ。助手席に回るな。

「失礼ですが」

「どかないよ! 本当に失礼だぞ、きのこ!」

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