第116話

「好きなんだろ?

 それなら、当たって砕けろだ!

 どちみち嫌われると思ってるんだろ?

 ならフラられるつもりで告白して来い!」



告白……

そんな人間っぽい事を僕がして良いのだろうか?

だって、僕は化け物だ……

そう、僕は……



「早く行って来い!」



僕は、立ちあがった。

もう、色々考えるのは止めた。

池宮君の言うとおり、みさき先輩の目が見えるようになる前に告白するのも良いかもしれない。

当たって砕けろだ!

俺の場合、目が見えないうちに告白した方が、すっきりする。

僕は、そうみさき先輩の事が好きなんだ。



「池宮君。

 ありがとう!」


「礼は、いいから早く行って来い!」



僕は、走った。

走って走って走りまくった。

僕は、屋上に向かった。



屋上に着いた時、僕は息を切らしていた。

運動不足が、身にしみる。

すると一人の少女が、泣きべそを浮かべて僕の方を見た。


黒く長い髪に整った顔立ち。

そして、なんの曇りもなく綺麗な目をした女の子。

その子の名前は、川崎 みさき。

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