第115話

「そんな事を気にしてるのだったら今すぐ屋上に行って来い!」


「え?」


「先輩は、ずっとお前の事待ってる!」



池宮君は、そう言うと僕の肩をポンポンと二回叩いた。


嫌われる前にもう一度会ってみようかな……

僕の中で甘い考えが、真っ先に浮かぶ。



 「お前は、化け物だろ?」


僕の中の透が、僕を再び責める。


 「わかっている。

  あと一回だけ……

  あと一回だけだから……」


 「傷つくのは、お前なんだぞ?」

 

 「わかってるよ」



「日向!」



僕は、池宮君の一言で、こっちの世界に戻った。



「早く行って来い!

 んで、告ってこい!」


「え?」



僕は、池宮君のその一言に耳を疑った。

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