第114話
「先輩、目が治るんだってさ」
だけど、僕は思いのほか、あっさりと答える事が出来た。
「良い事じゃないか?」
「うん」
「もしかして、それが先輩から離れた理由か?」
「うん」
「どうしてだ?」
「目が見えるようになったら、先輩に相手なんてしてもらえなくなるから」
「うん?
どうしてそう思うんだ?」
「だってほら、僕は化け物だし……」
「先輩は、そんなこと思う人じゃないと思うが……」
「僕だってそう思いたいけど……」
そう、そう思いたい。
僕もそう思いたいけど……
現実は、そう甘くない。
僕には、現実の厳しさだけが付きまとう。
優しい顔なんてされても次の日には、厳しい現実が待っている。
毎日が、そんな日の繰り返し。
僕は、そんな現実に疲れているのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます