第111話

その後、僕達は無言でみさき先輩の家まで送った。



「ありがとう」


「うん」


「じゃ、また明日ね」


「うん」


「バイバイ」


「うん。

 またね……」



僕は、先輩に手を振った。

でも、先輩には見えないんだよね……


先輩が、家に入ったのを確かめると僕は自分の家に帰った。


家に戻ると、お婆ちゃんは、既に眠っていた。


僕は、二階の自分の部屋に戻った。

そして、すぐにベットの上に倒れた。


みさき先輩。


目が見えるようになるのか……?

そしたら、僕は、嫌われないだろうか……?


僕は、自分の中に居る“自分”と話をしようとして見た。

だけど、誰も答えてはくれない。

心の中が、空っぽ。


僕は、考えた。

先輩の幸せを……


僕は、答えを見つけた。

先輩から、少し距離を置こうと……

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