第88話

そして、あっと言う間に放課後がやってきた。



「帰るぞ」



池宮君が、そう言って笑いかけてくれた。



「うん」



僕は、声に出して頷いた。

僕達は、一緒に帰る事になった。



「明日、行くのか?」


「え?」


「堂山公園」


「あ、うん。

 わかんない」


「行ってやれよ?」


「え?」


「先輩は、お前と散歩したいんだ」


「そうなのかな?」


「だから、誘ったんだ。

 絶対行けよな!」



池宮君は、そう言うと軽く僕の背中を叩いた。

そして、ニッコリと笑った。


池宮君のこう言う所が、モテルんだろうなと思った。

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