第87話

「さて!

 お弁当を食べた事だし私は、これで失礼するね」


「あ、はい」


「彼方君!

 明日の朝、6時に堂山公園で私待ってるからね!」



みさき先輩は、そう言うと屋上の階段を降りて行った。

みさき先輩の姿が見えなくなると池宮君が、ニッコリと笑って言った。



「ってか、みさき先輩の前だとお前は、結構喋るんだな!」


「うん。

 喋らないと、みさき先輩怒るから……」


「俺やクラスメイトの前でもそれくらい喋れよ」


「……僕の声、嫌われてるから……」


「そんな事、無いと思うけどな……」


「キモいってよく言われるよ」


「そんなの気にするなよ」


「……うん」


「俺は、キモいとか思わないから俺には、話してくれよ」


「わかった」



池宮君は、うししと笑うと立ちあがった。



「さて、俺らも戻るぞ。

 そろそろチャイムが鳴る」


「うん」



僕達は、そのまま教室に戻った。



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