第5話

「彼方君は、この幼稚園にはふさわしくないと思います。

 お友達も、1人も居ないようですし……

 化け物が居る幼稚園になんて、安心して幼稚園には通わせれないわ!」


「そんな!

 彼方君は、化け物じゃありません!」



先生は、大きな声で言った。


ねぇ、先生、本当にそう思ってる?

僕、知ってるんだよ。


皆が、僕に苛められている所を見て、一緒に笑っていた事を……

幼稚園に僕の味方なんて1人も居ないって事を……


だから、僕は幼稚園を辞める事に抵抗はしない。

辞めさせたければ、辞めさせればいいんだ。



「わかりました。

 彼方は、この幼稚園を辞めさせます」


「最初から、来させなければよかったんです!

 そうすれば、彼方君も痛い思いをしなくてすんだんです」


「すみません、すみません」



お母さんは、ひたすら謝り続けた。


ねぇ、お母さん。


どうして謝るの?


僕が、化け物だから?

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