第4話

「まさか、こんな化け物になるなんて……」



お母さんは、そう言って涙を流した。


僕が、悪いの?

僕は、化け物だからいけないの?

ねぇ、答えてよ!


だけど、僕の声は、出ない……

だけど、僕は声を出さない……


なぜなら、僕は、自分の声が嫌いだから。



「本当に、申し訳ございません」



お母さんが、涙を流しながら深ぶかく頭を下げた。

お母さん泣かないで……


僕は、涙を静かに流した。



「提案があります」



石を投げた子のお母さんが、手を挙げた。



「彼方君には、この幼稚園は辞めてもらうのはどうでしょう?」


「……」



お母さんは、何も言わない。

ただ、静かに頷いた。

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