第3話

「どうして石を投げたのかな?」



幼稚園の先生が、石を投げた子に質問した。



「こいつが、化け物だからいけないんだ!

 化け物は、退治されるべきなんだ!」



石を投げた子が、涙目でそう言った。



「彼方君は、化け物じゃないでしょ?」



先生は、そう言って男の子の顔を見た。



「化け物じゃん!」


「先生?

 ウチの子は悪くありません。

 その子が、化け物だからいけないんです!」



その子のお母さんが、そう言って先生を睨んだ。



「申し訳ありません」



僕のお母さんが、謝った。

ねぇ、お母さん、どうして謝るの?



「こんな子、産まなきゃ良かった」



ねぇ、お母さん、僕、何か悪いことした?


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