第2話

僕は、ゆっくりと頭に手を当てた。

べったりと赤い血が、手にくっついた。



「うわ!

 化け物が血を流したぞ!

 逃げろ!!」



待って!逃げないで!

僕、怒らないから……!

怒らないから、みんな離れていかないで!


僕は、心の中で叫んだ。

だけど、誰の心にも響かない。

ただ嫌われるだけ。

僕は、一人ぼっち。

ただ、寂しい。

寂しい。寂しい。



僕は、その後、幼稚園の先生が呼んだ救急車によって病院に行った。

5針縫った。

少し痛かった。


でも、大丈夫。

大丈夫。大丈夫。

痛くない。痛くない。痛くない。



僕は、頭が痛くて泣いているんじゃない。

心が痛くて泣いているんだ。


その日、僕とお母さんと石を投げた子とそのお母さんが幼稚園に呼び出された。

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