第9話 亮太、告白へのリベンジ

 放課後の学校に屋上に立つ二人。

 理奈はじっと翔太の目を見つめていた。亮太は焦ったが、焦れば焦るほど肝心の言葉が出てこない。それでも意を決して告白した。


「僕、僕と付き合ってください」

「無理、だってあたし・・・」

 亮太はそれ以上、そこに立っていられなかった。

 そのまま、理奈を一人屋上に残したまま、その場を逃げ出した。


「馬鹿言ってるんじゃないわよ。男なら、男なら、自分の力でなんとかしなさい」

 その言葉で亮太は我に返った。


「なんとか考えるよ」亮太は力なく答えた。


「しかたないわねえー。じゃあ一つだけいい事教えて上げる。『お札』の効力は無効になったけど、あの『お札』にはマイクロ通信機が内蔵されている。元々は、不慮の事故があった場合にお互いの無事を確認するための機能。でもこの機能、スマホからでも使える。ほら、試してみて」

 麗は亮太の顔面にスマホを突き付けた。


「今かよ」

「今でしょ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る