第7話 麗の宿敵、雪之丞 莉紗(ゆきのじょう りさ)との対決

 放課後の屋上から量子グラスを掛けた亮太が、オペラグラスで理奈の背中を凝視していた。


「あれって、オレが貼った『お札』じゃないのか」

「間違いないわよ」


「じゃあ何故、効果が出ない。麗の『お札』は紛い物か」

「ちょっと、量子グラス貸して。オペラグラスも」

 麗は亮太から奪い取ったグラスを掛けると、理奈の方に顔を向けた。


「やはりね、『お札返し』よ」


「そう『お札返し』。椿 麗(つばき れい)、お前の好きにはさせない。あたしの名は雪之丞 莉紗(ゆきのじょう りさ)」

 どこから現れたのか、黒のボデイスーツに身を包んだグラマーな美女の姿が。


「悪霊退散」

 麗は莉紗の額に間髪入れずに『お札』を貼った。


「覚えていろよ、麗。この借りは必ず返すからな」

 現れるのも一瞬なら消え去るのも一瞬。グラマー美女はお決まりの捨て台詞と共に姿を消した。


「これで大丈夫よ。『お札返し』が外れた」


「今の女は、一体何なのだ」

「あたいの宿敵。まあ永遠のライバルってとこね」


「じゃあ、これで『お札』が有効になって、オレは目でたく理奈とカップル成立ってことか。ウッシッシ」

 亮太は一人舞い上がっていた。

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