第5話 『恋愛のお札』の効果たるや
翌日の放課後、下駄箱前で理奈の帰りを持ち受けていた。
運よく、理奈達が姿を見せた。
「これからみんなでカラオケに行かない」
「いいねえ、それ。いこいこ」
「理奈も行かない。あたしは・・・」
理奈は靴を履き替えようと腰をかがめた。おかげで未防備になった背中が亮太の目前に広がった。
今だ、亮太は挨拶がてらに「さよなら」と告げると、理奈の横をすり抜け際に『恋愛のお札』を背中に貼り付けた。
次の日、亮太は舞い上がる気持ちで学校に行った。
「おはよう、鮎沢さん」思い切って声を掛けた。
「おはよう」理奈は目も合わせずに返事を返した。
「おかしいな、全然効果がない」
見ると、理奈の背中に貼ったお札が見当たらない。あたり前か、普通は毎日着替えるものなあ。着替える時に『お札』なんて貼られていたら気付くよなあ。ちょっと待てよ。だとしたら、『お札』に気付かれたか。もしかして、『お札』を貼ったのがオレってことも。モー絶望だよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます