第3話 告白、そして予想通りの展開
気が付けば、午前の授業が終わって昼休み。
「お前、時計持っているか」
席を立とうする亮太の左手首の袖を麗がいきなり捲り上げた。
「いきなり、何すんだお前」
「時刻、合わせだ」
麗は自分の腕時計を出すと、亮太の時計と時刻を合わせた。
「これで、オーケーだ」
「何の真似だ。スパイ映画の主人公にでもなったつもりか、お前は・・・」
そして時は過ぎ。そこは放課後の学校の屋上。今日は少しばかり、いつもの日常が非日常に変わる瞬間。亮太は期待と緊張で張り裂けそうな心境を抱え、鮎沢 理奈(あゆみざわ りな)に自身の思いの丈をぶつけた。
「こうなるよね、やっぱり」
亮太は一人、学校の下駄箱で自分の靴を取り出していた。告白の結果は爆死。でも、力んで出陣しただけに素直には納得出来ない。
「元気出せって、次があるさ」
そんな心情を気遣ってか、クラスメートの智也が声を掛けて来た。
「オレもダメだったんだ。今回のテスト」
良かった、クラスの皆には知られていない。亮太はある意味ほっとした。
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