第7話 異世界ファンタジーの夢
多分一本書けるなと思ったのでメモ。
「古代魔術の使い手ですがなんか変化の魔術が自分にかかってるんですが」
なんかドラクエの小説とかナウシカとかにでてきそうな牧歌的な村。
メルヘンと泥臭いファンタジーの中間みたいな……
視点人物は村娘。隣村が滅んだ時に生き残った子どもという触れ込みで砦で育てられた。
砦はこう、ナウシカのお城っぽい感じで、領主一族が住んでいるのだが、あまり敬われているとか貴族とかそういう感じはしない。牧歌的な雰囲気。
子どもたちは皆領主の子どもと一緒くたに育てられ、大きくなったら城で働くということになっている。
ある日滅んだ集落を見に行こうと年嵩の子どもに言われ、主人公達はスタンドバイミーをすることになる。(主人公にはその村の記憶は一切なく、生まれたてで保護されたらしいということだけ聞いている)
滅びた集落跡で魔物が現れ、主人公は命の瀬戸際で前世の記憶を思い出す。
それは、召喚現代日本人が強大な魔術を手に入れ、なんかすごい名前で呼ばれたりする系の成り上がりの記憶! とはいうもののなんか陰謀とかに絡め取られたりして魔女扱いでそうそうに死んでいる。
戦ったあと、前世の癖でクリアリング的に自分に捜査魔法を走らせる主人公。すると、なんだか ん? ということが判明する。
自分の容姿、あまり好きではなかった外見ではあるのだが(どうしてもしっくりこなかった) 一枚、本当の体の上に魔法が被っている。
魔法を解除してみると、しろがねの髪にしろがねの目。
――ん、んんん~~~~~~???
ちなみに、主人公の在住する国は長年続いた帝制で、当代の皇帝の息子と娘が金の髪と目、銀の髪と目。あとついでに三つ子は不吉。
――あ、これは。
気づいてしまう。恐ろしい可能性に。
――これ、自分(たち)でかけた恐ろしい呪いが自分にかかっちゃってるぞ♡
かつて帝国の皇帝は現代人を召喚し、魔王を倒させたりしたものだ。その際に呼び出され、首尾良く色々終えたのに最終的になんか謀殺されたのが彼ら、四人の日本からの転生者である。 当時当然彼らはめちゃめちゃ怒り、メルヘンの魔女よろしく皇帝に呪いをかけたものだ。 すなわち、滅びの呪い。
なんかこれから生まれてくる子どもは子を残さず15で死ぬ。しかも死体は呪物になる。そういうやつ。生まれて即座にとかそういう呪いもあったはずなのだけど、そういうのはちょっと限界の時に掛けるにはコストが重かった。
当然帝国も血眼で対処法を探す。そして編み出された対抗魔法が子どもが必ず双子で生まれてくるという魔法。子どもを1で生まれてくるものと仮定した呪いの参照元を混乱させるのだ。
結果まあ、ほどほどに血なまぐさい継承戦争なども起こったり、結構継承で揉めたりしてポコポコ分裂した結果、小国が沢山だとか、軽く三国時代な感じに元帝国な大国も3つぐらいあるだとか、ほどよく時代に混乱は起き続けているようだが、当時の帝国の血脈は続いた。
しかし、帝国の伝説は言う。王家に三子が生まれれば、それは不吉の兆しである、と。
呪いは1が2だと対応できなかったくせに、3を1+2と判定しやがるのだ。
それとも、対抗魔法のそこに脆弱性があったのかもしれない。なにせ、それまではずっと帝国の正当な帝王は白金の髪をしていたというのだから。魔法で2つに分けた時にその子らの色が金と銀に分かれることになったのだ。
自分が何らかの正統後継者である、というのはまあいい。呪い憎んだ皇帝の血族、というのもまあいい。 千年のうちに恨みはだいぶ摩耗したっぽいし、第一恨みも悲しみもあったものの、あの時一番怒っていたのはリーダーで、自分はああまあそうなるよねえ権威だものねえ、などといくらか思っていた。普通に世界を掬った勇者を支持する人は多く、統一を乱す旗頭になりそうだったもの。
それにまあ、いくら恨んでいてもそこから千年、血筋とかを思っても当時の皇帝直系であれ特徴なども残ってはいまい。千年前の先祖の恨みを言われても全然関係ないひととニアリーイコール。
だから、それはいい。
問題は、自分が15になったら凄惨に死にそうなこと。
それから、呪いというのはファジーでそれなのに精密だ。
15になった皇帝の子が呪物となり、そこから城の中の人間を変異させ、ゾンビパニックさせる、という呪い。
千年前の呪い。
つまり、たいてい領主というやつは当時の皇帝の血を今の皇帝と同じぐらいには継いでいそうだし、自分は砦在住…… 砦とは言うものの、まあ城と呼べないことはない…… だ。
うん。あかん。辺境スタンピートが起こっちゃう。異世界ゾンビパニックだ。
砦の人々はそれなりに好きだし、そんな死に方をさせるわけにはいかない。
ほいほいと解除できるものではないし、今聖遺物になってる勇者の剣とかに残存してる他の仲間の魔力とかをサンプルに手に入れないと解除できないだろう。
視点人物の子はそう思う。
つまり、12歳の今。あと3年でなんとしても皇宮殿に入れるようにならなくては。
すなわち、死。一地方の死である!
とはいえ、正体がバレると余計に宮殿には入れまい。
というか、呪いが真実だと知らない誰かが明らかにこっそり逃がしている。
うっかりバレると処刑まであり、処刑がなければそれは逆に信じてもらえていない、というやつ。
白金の髪は珍しい。珍しいが…… 今や、王家の象徴の色は金と銀。白金の髪の伝説は意識されないようになって、長い。
視点人物の子は背中にダラダラと冷や汗を流した。
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