第4話キホンノ授業
花や野菜の種袋、裏に書いてある色々の中で、下の方にひっそり書いてある、『発芽率』なる文字と数字。
これを私達は実証するのだ。先ずは大根の種100粒をきっちり数えて!一粒足りとも間違ってはならない!
シャーレの上に脱脂綿、そこにまんべんなく大根の種蒔きをして、霧吹きで水やり。
その後、大根は嫌光性の性質上光を透さない様に暗幕で覆うと、後は毎日、芽がでるまで乾かぬ様に管理するの。
勿論放課後よ!授業は先に先に進んでくからね。しかも失敗したらやり直しとなるわよ!
上手く行けば1週間位で芽が出てくるから、それを数える。100粒の内に80粒芽が揃って出てたら、発芽率80%となるのだ。
担当の学科のじいちゃん先生は、種苗会社に発芽率調べて送りつけた過去をお持ちになる素敵なじいちゃん先生。
野菜担当、戦争経験者、なのでよく言われたわよー!
「今の日本の平均寿命は長寿、それは年寄りが夏場暑く、冬場は寒く、それほど旨い物も食わずひたすら体を鍛えたからだ」
ほほぅー!クラス中納得しました!先生のありがたい御言葉は続きます。
「お前達は旨い物食べて、夏場は涼しく、冬場はぬくぬく、これでは長生き出来ない、はっはっは!」
説得力あります。等と授業中色々な人生経験含めての授業が多い科目別の先生達、面白いです。
そして実習授業には講師の先生が指導してくれる。こっちの先生の方は、フレンドリーというか、先生先生していない。
勿論、学科の先生も実習授業には立ち会ってるけどね。
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草
これらを広ーい農場で採集するのが1年生春の恒例授業!すずしろは大根だからいいとして、ほかの6種!
探すわよー!ごぎょうって何や!ごぎょうが1番難しい等とうろうろ集める授業、それでも七草揃うのが流石はここだわ!
そして1年生、1学期に限り「実習手帳」なるものが存在する。実習授業の時にちょこちょこ控えるのだけど、
忘れる。基本外だし、立ちっぱだし、口頭説明だし、なのでろくに書いてないと時なに訪れる、
「今から、実習手帳提出」
ガーン!そして3段階評価して戻ってくる。しかもじいちゃん先生のみ、提出を求めてくるー!
花の先生や、果樹の先生って手帳提出求めて来るとこ無い!書けとも言われない!
しかし先輩は教えてくれていた。
「野菜のじいちゃん、手帳提出さすのに楽しみらしいから、適当に書かないと慌てる」
そしてその忠告を忘れた頃にやって来る!
手帳提出の時、じいちゃん先生笑顔になってるのは!どういう事ですかー!
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