【ゲーム】今更ながら『ポケットモンスター ソード・シールド』をプレイ。ずるいなこのキャラ造形

2024年5月27日






 こんにちは。五月、いかがお過ごしでしょうか? 自分はポケモンでヒイヒイ言っています。


 五月からポケモンSVのランクバトルで禁止伝説ポケモン(一般的な対戦において使用禁止となるポケモン)が一体だけ解禁されるルールが始まったのですけど、禁止伝説というだけあってどのポケモンも化け物だらけ。まあ化け物だからこそ相手のパーティの軸がわかりやすいのですけど、問題はその化け物と組んでいる一般ポケモンも化け物化しているところ。化け物だらけの魔境で頭を抱えています。シーズン終盤だけど勝ち方がわからない。



 まあそんなこんなでせっかく禁止伝説が使えるルールということで自分も伝説ポケモンを使うわけですけど、自分はポケモンをやっていくうちに耐久戦法、所謂「受けループ」と相性がよかったので、受けループで使える伝説ポケモンを採用することに。その伝説ポケモンはムゲンダイナ。


 ムゲンダイナは、最新作『スカーレット・バイオレット』(以降『SV』)から見て前作『ソード・シールド』(以降『剣盾』)に登場する伝説ポケモン。ゲームソフトの表紙飾るパッケージ伝説ではない第三伝説の立ち位置。『ルビー・サファイア』のレックウザや『ダイヤモンド・パール』のギラティナと同じ扱いです。




 さて、ポケモン対戦でムゲンダイナを使うためには、当然の如く『剣盾』をプレイして捕まえるしか方法はありません(改造ツールによるデータ改ざんで入手する方法は非正規のため除外)。


 というわけで、ムゲンダイナを捕まえるためだけに未プレイだった『剣盾』を今更プレイしてきました。





『ポケットモンスター ソード・シールド』


 公式ページ

 https://www.pokemon.co.jp/ex/sword_shield/








 さて『剣盾』をプレイした率直な感想ですが、「まあいつものポケモンだね」というあっさりとしたもの。十代の少年少女がポケモンと冒険に出て各地のジムを攻略して道中の悪の組織と対峙しながらチャンピオンを目指す、シリーズお馴染みのストーリー。


 ストーリーに関しては最新作の『SV』の方が優れている。まあこれは比べる対象が悪いといいますが、『SV』はシリーズ初のオープンワールドであり広大なマップを自由に探索できるボリュームがあり、加えてそのマップのボリュームに劣らないストーリーのボリュームもあって、非常にやり応えのあるゲームでした。とくにラストのシナリオはスタンドバイミー的な青春に本格SFが加わり、さながら一本の映画を見ているかのような怒涛の展開からの感動のエンディングと、ポケモンシリーズにおいて最高傑作であると同時に、ゲーム界全体としても非常に完成度の高いゲームと高く評価しました。ラスト以外でも序盤から中盤の学園ものも作品のテーマ性と合致していてよかったです。



 まあ『SV』に関しては過去にここで記事にしているのでそちらをお読みください。



【ゲーム】『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』シリーズ最高傑作のシナリオかもしてない

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886711486/episodes/16817330649997837662





 そんな高評価の『SV』から過去作『剣盾』をプレイしたわけですけど、正直に言えば『剣盾』の話の薄さに肩透かしをくらった。でもまあこれに関して言えば『SV』が飛び抜けてよかっただけであり、そもそもポケモンのシナリオってこんなもんだと思う。自分は年齢的に初代ポケモンの世代ですけど、初代ポケモンは別にそこまでしっかりとしたストーリーなんてものはなかったので、ポケモンシリーズとして見れば『剣盾』もまともなシナリオであると言えるでしょう。個人的には悪役をもっと掘り下げてほしかったですけど。



 とはいえ『剣盾』のシナリオで評価したいのは少年少女の青春描写。



 多くの登場人物がいる中、若年層はホップ、マリィ、ビートの三人がいる。


 ホップは夢見がちな熱血少年というキャラ付けですが、作中において挫折を経験しつつもそこから立ち上がって前に進む姿はさながら少年漫画の主人公のようであり、『剣盾』をプレイしながら「アレ? 『剣盾』の主人公ってホップじゃね?」と思ったくらいです。


 マリィもよく、プレイヤーと同じくジムチャレンジに挑む少女ですけど、なんか流れで言われるがままジムチャレンジしている主人公(プレイヤー)とは違って、マリィ自身に背負うものがあって覚悟と本気が窺えるところはよかったです。ただまあ個人的に言えばもっと掘り下げてほしかったですけどね。キャラデザで人気があるのはわかりますけど、キャラクター性でいえば残念ながら他の登場人物に負けている印象があります。





 そして最後にビート。これがですね……ズルいんですよ! 


 ビートもライバルキャラの一人で、エリート意識が高く基本的に他者を見下している不遜な少年。初登場時からパンチの効いた台詞回しで「活きのいいクソガキだ!」と妙にテンションが上がりましたね。表情も絶妙に憎たらしくて素晴らしい。


 そんなビートも作中の黒幕のために活動しているのですけど、中盤でその黒幕に見限られてしまう。エリート意識が高いビートにとっては最大級の挫折を味わうことになる。


 ただその後はフェアリータイプのジムリーダーの老婆に才能を見出される。このフェアリータイプのジムリーダーははっきり言えばいつ老衰してもおかしくないくらいの老婆であり、実際にジムチャレンジでは後継者探しを兼ねたオーディション形式となっている。


 そのジムリーダーに拉致(?)されて再教育()をされて終盤再登場するのですけど、エリート意識が高く基本的に他者を見下している不遜さはそのままに、人として真人間に生まれ変わる。このミスマッチ感のあるキャラがとにかく面白い。表情としても憎たらしさが消えしっかりとした意志が窺えるイケメンに変わっている。



 このね、ビートの変貌ぶりがズルいんですよ。



『剣盾』ではある種の成長を描いた青春劇としてみることができますが、その中でもビートの成長ぶりは他より優れている。なんなら主人公のライバル役としての完成度が高すぎるぐらいにキャラクター造形が素晴らしく掘り下げも完璧。



 いやこれね、ビートズルいわ……。




 そんなこんなで『剣盾』の印象としては「全部ビートに持ってかれた」という感じです。なんか、正直事前はそこまで期待していなかったですけど、ビートというキャラ造形を見せつけられただけでも『剣盾』は満足でした。いやビートズルいわ……。







 という感じで、『ポケットモンスター ソード・シールド』の感想でした。


 ちなみにですけど、チャンピオン後のパッケージ伝説を捕まえるシナリオがなかなかにダルいのはまた別の話。






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