【ゲーム】『ニーア オートマタ』をプレイしました。映画さながらストーリーのSFアクション
2022年11月1日
10月6日に『ニーア オートマタ』がNintendo Switchから発売されました。
この作品は2017年にスクウェア・エニックスよりPlayStation4用ソフトとしてリリースされ、人気を博したゲーム。
当時噂はよく耳にしたもののPSハードを持っていない故にプレイすることができなかったため、今回switchに移植されたことをきっかけに名作と名高いゲームをプレイしてみました。
『ニーア オートマタ』
公式ページ:https://www.jp.square-enix.com/nierautomata/
あらすじ(公式ページより転載)
遠い未来。突如侵略してきたエイリアン。そして、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」圧倒的戦力を前に、人類は地球を追われ月へと逃げ延びていた。地球を奪還するために、人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。さらに膠着した戦況を打破するため、新型アンドロイドである戦闘用歩兵「ヨルハ」部隊を投入する。人のいない不毛の地で繰り広げられる機械兵器とアンドロイドの熾烈な戦い。やがてそれは、知られざる真実の扉を開けてしまうこととなる......
ゲームジャンルとしてはアクションRPGですが、物語としてのジャンルは完全にSF作品。
まずはプレイしたことによるゲーム性の感想から。
この作品はアクションRPGですが、そのアクションが結構難しい。所謂無双ゲームみたいな、プレイヤー対複数体の雑魚敵が基本的な戦闘となる。
その際の攻撃エフェクトがかなり派手なせいで、今画面で何が起こっているのかサッパリわからなかった。そのため当然のように自分がいったい誰を対象に攻撃しているのかもわからないし、敵の攻撃モーションも全く見えないので回避のしようもない。結果ダメージを受けながらとにかく殴る脳筋プレイとなった。スキルもとりあえず自動回復系のものばかり装備しましたね。
加えてマップが見づらく迷子になりやすい。プレイ中の小さなウインドウのマップは細かすぎるし、マップを開いたら開いたで大雑把過ぎて要領を得ない。土地勘がついてきた周回プレイは何とかなるが、初見の一周目は本当につらかった。
あと3Dアクションですけど時々謎の横スクロールになったり俯瞰視点になったりするのですが、その際のカメラの位置が遠すぎて操作キャラとサポートキャラの区別がつかなくなる。マップ的に目的地を見失うが、プレイヤーがプレイキャラを見失うこともある。
そのせいか、ド下手な一周目(2Bルート)で経験を積んでからの二周目(9Sルート)はまあ何とかなりましたが、さすがに三周目となるとアクションがしんどくて難易度をイージーにしました。アクションよりもストーリーを先に進めたかったので、正直に言えばノーマルはストーリーのテンポが悪くなるくらいに難しかったです。もしくは自分が年をとっていろいろと衰えたのかもしれない。少なくともNintendo Switchのジョイコンで操作するゲームではないし、ましては画面もコントローラーも小ぶりな携帯モードでプレイするゲームでもなかった。プレイするならちゃんとTVモードでプロコントローラーを使うべきかと。
そうそう、このゲームたまにロボットに搭乗しての謎シューティングになるのですが、個人的にこっちの謎シューティングの方が楽しめました。通常の生身による白兵戦アクションではなく全編ロボットによる謎シューティングでもよかったですね。
そんなこんなで、ゲームとしてはいまいち楽しめなかった。プレイするときも夢中でプレイするわけではなく、「買ったからやるか……」ではじめて「……疲れたからやめよう」という感じ。まあストーリーがいくつも区切られていて一周のボリュームは控え目ですので、週末プレイおおよそ十時間程度で一周分がクリアできて、攻略サイトに掲載されているストーリー攻略を最初から最後まで進めてもトータルのプレイ時間が二十八時間でしたので、隙間時間に遊べるゲームと言えるかもしれない。その点については社会人として遊びやすかったですね。
と、ここまで不満を書き綴ってきましたが、ストーリーそのものは面白かった。むしろこんなにもゲーム性が合わない作品でも最後までプレイできたのは、SFとしてのストーリーとポストアポカリプスの世界観があったおかげ。
とくにストーリーに関して言えば、まさにハリウッドのSF映画を彷彿とさせる。侵略してきたエイリアンによる機械生命体と、月に退避した人類が生み出したアンドロイド兵とのいわば代理戦争もので、このあたりはSF映画でもありそうな設定である。
そこからの、敵側の「実は○○でした」が明かされることによって転化し、さらにストーリーを進めると今度は味方側でも「実は○○でした」が明かされ、アンドロイドも機械生命体も○○同士で戦い合っている構図はストーリー構成としてもとても面白かったですね。
あとはわかりやすい悪役が登場するのもハリウッド映画的とも言えるかもしれませんね。ヒーロー映画などのヒーロー対ヴィランの構図がそのままゲームのストーリーに落とし込まれているといった感じ。
そういったこともあり、個人的には「この話をゲームではなく普通に映画で見たかった」というのが、今回『ニーアオートマタ』をプレイしてみた率直な感想でした。
というか一周目(2Bルート)と二週目(9Sルート)をうまい具合に編集したら二時間の映画にできるのではなかろうか? と思って検索してみたら、本当に映画風に編集したプレイ動画とかが動画サイトに投稿されていて、ちょっと面白かった。あとで時間作って視聴したい。
まあストーリー面で気になった点をあげるとすると、三周目以降は正直に蛇足感が否めない。たとえるならば、一周目と二週目を一本の映画とするならば、三周目以降は映画がヒットしたことを受け急遽制作した続編映画、といった具合だろうか。
三周目以降もそれまででは語られなかった設定が明かされたり、放置されていた伏線を回収されたりして、物語の完結編として上手く機能している。決して悪くはないのですけど、一周目と二週目で完結してもよかったのではと思わなくもない。まあそれは映画的に解釈すればそうですけど、ことゲーム作品としてはボリュームが控え目になってしまうので、ゲームのストーリーとして考えればこれがベストなのかもしれません。
あとは細かいところで、冒頭で一周目の主人公である2Bが「アンドロイドは感情を持つことが禁止されている」みたいな台詞がありましたけど、でもこのゲームに登場するアンドロイドはお互いに友情であったり恋愛だったりといった感情がだだ漏れでして、もちろん感情のないアンドロイドや機械生命体が人間のような感情に芽生えていくお話ではあるのですが、「はて? 感情が禁止されている設定はどうなった?」とツッコミたかった。
その他、終盤で機械生命体がゾンビ映画さながらの共食いをするシーンがあるのですが、その際も「食うのか!? 機械が機械を『食う』のか!?」と腑に落ちなかった。
思うに、確かにアンドロイドや機械生命体といった無機質の存在があたかも人間のように振る舞っていくお話ではあるのですが、しかしながら機械に人間らしい言動をさせることによる世界観や設定との不協和音がどうしても気になった。
結果としてSF作品として解釈していくと、細かい設定に穴がある雰囲気だけのSFということになるかも。とはいえ小説とかのハードSFではなくあくまでゲーム作品であるので、このくらいの雰囲気SFでも充分SF作品として成立していると思います。
それこそ『ニーアオートマタ』は映画的なストーリーですけど、海外のSF映画とか設定や考証がガバガバのバカSF作品なんてものはいくらでもあり、そういった意味であれば大抵のSF映画は雰囲気だけのSF作品になる。その面からみても、やっぱり『ニーアオートマタ』ってまさに映画らしい作品でしたね。
こんな感じで、Nintendo Switch移植版『ニーア オートマタ』の感想でした。
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