【映画】アニメにもなった作品の実写映画化について思うことアレコレ

2019年6月22日




 昔からアニメにもなった漫画や小説の実写映画化はありましたが、しかし近年はとくに目立っている印象ですね。ほら、『進撃の巨人』とか『鋼の錬金術師』とか『ジョジョの奇妙な冒険』とかは悪い意味で話題になりましたし。最近では『かぐや様は告らせたい』の実写化とか話題になっているかと思います。



 今回はそうした実写映画のお話。作品の紹介とかはとくにないです。




 結論といいますか、個人的な意見としては、、というのが正直なところです。





 そもそもですね、私なんです。



 アニメとか漫画の魅力とは、視覚情報としては絵だけしかない、ところにあると思います。つまり描写としてはある種デフォルメされているということです。


 たとえば、アニメや漫画って、人物の毛穴とか産毛まで表現しないじゃないですか。そこまで細部に表現できないし、する必要もないので、画として見たときに余計な情報がないのでとても見やすいです。突風が吹いても次のシーンでは何事もなかったような様子ですが、現実なら髪とかボサボサになって酷い有様になりますし、突然の雨とかのシーンではアニメとか漫画なら絵になる見栄えですが、実写だとただの濡れ鼠で見栄え最悪ですしね。


 そういえば最近だとFF7のリメイクとか、あとライオンキングのCG作品の制作とか、実物と見間違うレベルでかなりリアルに寄せている印象を抱きますが、そこまでのリアルを求めてないというのが正直な気持ちです。実写ではないのに実写レベルのリアルにしてどうすんねん!



 話はそれましたが、アニメとか漫画って余計なものを描かないので、それだけ自由にデフォルメ化することが可能です。そして自由だからこそ、画的な美しさだったり格好よさだったりする見栄えを追及できるのです。加えて、アニメとか漫画なら現実では不可能なカメラワークができるので、表現の幅が広がります。実写は表現に物理的な制約がある一方、アニメや漫画は想像力次第でいくらでも表現できてしまえるのです(もちろん表現における技術的な制約はありますが)。あとハリウッド映画みたいに予算と勢いに余裕があればファンタジーとかSFとか作れますが、邦画とかになれば現代ものくらいしか作れないかと。邦画のファンタジーとかSF映画って割と悲惨な出来栄えだったりしますしね。




 要は、画的に洗練できるかどうかだと思います。シーンの表現においての見栄えの追求に関しては、実写作品は劣っていると個人的に考えています。






 ただこれはあくまで些細な要素でしかありません。自分の実写嫌いの本質は役者さんにあります。



 そう、俳優が演じる登場人物が全部同じに見えてしまう問題です。



 人気俳優ならもう引っ張りだこで、様々な作品で多種多様な役を演じていらっしゃいます。(以下敬称略)


 木村拓哉キムタクとか、総理大臣になっているときもあれば、検事をやっているときもあり、はたまたアイスホッケーから航空機のパイロットなんかもこなしていますね。


 ただですね、思ってしまうのです。全部キムタクじゃん、と。もちろんそれぞれの作品で役所に合わせて役作りしているでしょうが、しかし容姿はどの役も同じですから、どうしても役よりも演じている俳優さんの印象の方が先行してしまうのです。



 それはキムタクに限らず、有名俳優であれば全員同じ現象が起きます。俳優の藤原竜也とか。デスノート書いたり詐欺師やったり、はたまたデスゲームしたり剣士になったりしてますね。でも全部藤原竜也じゃん。いえちゃんと役作りされて見事に役を演じ切っていますけど、顔は藤原竜也のままじゃん!


 他にも、たとえば小栗旬とか松山ケンイチとか堺 雅人などの人気俳優さんも、様々な作品で素晴らしい演技をされていますけど、でも、容姿が全部一緒なので全部同じみ見えてしまうのです。





 自分は結構、作品の印象に制作サイドの情報が反映されやすい質で、単純な話はいい人が作った作品だから素晴らしい、評判の悪い人が作った作品だから駄作だ、と感想が流されやすいのです。なので私としては、制作サイドの情報を一切遮断しないと、しっかり作品を楽しめないのです。



 しかし一方で、実写作品を鑑賞する際どうしても俳優さんの顔が映ってしまうので、その俳優さんの人物像を意識してしまうのです。この俳優さんにはこんな熱愛報道がありましたとか、あの俳優さんにはこんなスキャンダルがありましたとかの、余計な情報を意識してしまって作品自体に集中できないといった感じです。これは別に邦画に限らずハリウッド映画でもそうで、トムクルーズとかキアヌ・リーヴスとかウィル・スミスなどの有名どころが登場しても同じです。今見ている作品ではない、他作品で演じた役や、普段のスキャンダルの情報が邪魔になり、心から作品を楽しめないのです。




 映画でもドラマでも、映像作品ならば何でもそうですが、余計な情報に左右されずに作品単体で純粋に楽しみたい、というのが個人的に思っていることです。


 なので正直、メイキング映像とかキャストインタビューとか、自分にとってノイズでしかないです。制作秘話とか語らないで作品単体で勝負しなよ、と思わずにはいられません。



 自分にとっては、物理的に撮影して現実に生きている俳優が演じる実写作品って、とんでもなく相性悪いのだと思います。




 一方、漫画とか小説って、俳優が演じで話を進める物語ではなく、絵や文章だけで物語を描きますから、作者の情報さえ遮断してしまえば純粋に作品単体を楽しむことができるので好きです。


 なので自分作者買いすることって滅多になく、好きな作家はいても、それはその作家さんのことが好きなのではなく作風が好きなだけで、実際作者さんのこと全く知りません。


 好きな作家というと、自分はよく伊藤計劃をあげますが、実際に作家伊藤計劃について知っていることといえば、すでに亡くなられていることぐらいです。作品は生きているときに書かれたものなので、亡くなったから作品の内容が変わるということもないですしね。あと自分の好きな作家だと三秋縋もありますが、こちらは昔別名義にてWEBで作品公開していたくらいしか知らず、作者自身の個人的な情報は全然知りませんし、興味もないです。(敬称略)


 自分は書籍のあとがきとか読まないタイプです。まあ1ページとか2ページくらいのあとがきならサラッと目を通しますが、何ページにもわたって書かれていると「自分語りしてないで作品書けよ」と思ってしまいます。


 実はカクヨムでもそうで、近況ノートとかあまり見ないですし、Twitterとかでも深く交流しないです(さすがにコメント来たら返事はしますけど)。ユーザーさんのこと知ってしまうと作品が楽しめなくなるので。実際ユーザーさんのことを知り過ぎて純粋に作品を読むことができなくなり、それで読むのをやめたものもあります。







 またアニメ作品とかでも同じで、好きな声優はいてもその演技が好きなだけですし、好きな監督も作風が好きなだけで監督自身の性格とかは全く興味ありません。声優さんも監督も、人物に関する情報を徹底して遮断しています。


 アニメだって声優という役者さんが演じているから、実写作品で俳優が演じているのと変わらないではないかと思われるかもしれませんが、まあ……その通りなんですけどね。ただ、アニメって演者の「声」だけで、見た感じの容姿が異なっていれば割となんとかなる部分もあります。むしろ「声」だけの役作りをしているから、別作品との差別化が受け手としてはしやすいです。


「声」だけのアニメと、「容姿」の実写では、後者の方が演者自身の情報が膨大になってしまいます。演者の情報を極力避けるのであれば、どうしてもアニメ作品の方が優れているのです。そういった事情により、私は実写作品よりもアニメ作品の方が純粋に楽しめます。






 今回の記事は「アニメにもなった作品の実写映画化について」ですが、このことについては「実にどうでもいい」という意見になります。容姿を使って俳優さんが演じている時点で、こちらとしては見るつもりは全くないので。どんな仕上がりになろうが、個人的に「アニメ>>>実写」の認識でいるので、実写作品を認めることはまずあり得ません。どうせ見ないから関係ないところで好きにやって、という感じです。


「イメージが崩れる!」とか「原作レ〇プだ!」とかの意見も見受けられますが、それってある部分では、制作サイドの情報が作品から察してしまうからではないでしょうか。イメージとかなんかは、演じている俳優のイメージが無自覚に意識してしまっているからかと思います。




 ただ実写化って、マーケティング的には効果あると感じています。世の中には誰が演じているかで作品を選ぶ俳優推しの方が一定数いますから、そういった層に作品を触れさせるという目的としてはこれほどのものはないかと思います。宣伝でも作品の内容よりも出演者の情報でアピールするのは俳優推しを狙ったものだと思いますし、商業作品としてはこれが正解だと思いますよ。ただ商業の匂いが強すぎるのもどうかと思いますけどね。






 といった感じで、「アニメにもなった作品の実写映画化」について、商業作品としては正解だけど、物語としては不正解だよね、というのが私個人の考えです。




 とりあえず『かぐや様は告らせたい』は見るつもりはありません。だって四宮かぐやが登場するのではなく、四宮かぐやのコスプレをした橋本環奈が出てくるだけですからね。四宮かぐやには毛穴や産毛の描写はないけど、橋本環奈は人間ですから毛穴も産毛もありますからね。別に橋本環奈の毛穴とか産毛とか見たくねぇよ。それで物語を楽しめっていう方が無茶ありますよ。あ、別に橋本環奈が悪いわけではないです。実写という作品媒体そのものが悪いだけです。






 このエッセイでも、これまで実写作品を取り上げたことは一度もありませんし、これからも取り上げることはないでしょう。いやだって、見てないから……。


 ただ学生時代は実写映画を普通に鑑賞していたので、あるとすれば過去作品を掘り当てて語るかもしれませんね。そういう系のネタで更新した際はよろしくお願いします








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