怪異に襲われたのは自称売り出し中の地下アイドル。
彼女には熱心なファンがおり、そのファンのてがたが徐々に彼女の生活空間をむしばんでいく。
とはいえ、そのファンの正体が一筋縄ではいかなくって。
なにせファン自体は彼女には近づいてはいないのだ。
アリバイもある。
この話を聞いた著者の想像がとてつもなく不吉でおぞましい。
少なくとも私はこんな都市伝説形態を見聞きしたのは初めて。
とはいえ、後味はひじょうに軽やかである。
アイドルはのし上がるためには過去を振り返っている暇なんてないのだ。
普段扱っておられるいなせな都市伝説シリーズとは打って変わった表情を魅せてくださったフジムラさんの手腕、ぜひとも堪能していただきたい。
(正直くやしい)