第5話 再び

※再びです


5限目、6限目は数学だった。とは言っても高校1年春なので、ほとんど中学の復習だった。ただ、2 限連続なんて初めての事だったのですごく疲れた。


隣にメアがいるからというのもあったけど...


いや、ほとんどメアのせいだな。うん。


え?横に美少女がいて羨ましいって?


あいつは化けの皮を被った悪魔だよ。


このことだけは忘れてはいけないって、

じっちゃんが言ってた。


「チャイム鳴ったよ!早く帰ろうよ!」


「まだSHRがあるから」


「スーパーヒーロータイム?」


「それは、SHTだな。テレビ○日に謝れ」


「えー、少しHUGっと!プリ○ュア?」


「少しって!それじゃ、SHPだよ」


「あ!題名のない音g」


「それ以上言ったら怒るぞ。テレビ朝○が」



キーンコーンカーンコーン



ショートホームルームが始まる。


ショートホームルームだ。覚えといて。


「はーい、席ついてー」


松下だか松山だかの中年担任が呼びかける


「連絡なー。不審者情報だ。この辺で不審者が目撃されている」


チラリ、とメアを見る。


口パクで、『おまえだろ』と、言ってみた。


悪事がバレた異世界人はどん

⦅私がそんなヘマするわけないでしょ⦆

な反応をす...こいつ、直接脳内に!

⦅むしろあんたでしょ、不審者⦆

そんなわけない


「目撃者によると、いきなり道で叫んだり」


そんなわけ


「人の往来の中、土下座したり」


そんな


「それと…




女子高生に引きずられていたそうだ」


「僕じゃんかよぉー!」


「うるさいぞ!ジーザス野郎!」


あの井戸端おばさん、許すまじ。

地元では神童とか呼ばれていたのに。


怒りがこみ上がってきた。


なんだこの仕打ちは!

あなたを名誉毀損罪で訴えます!

理由はもちろんお分かりですね?

あなたが皆をこんな噂話で騙し、僕の学校生活を破壊したからです!


「連絡はこんなもんだな。会田、号令」


きりーつ、れ


さよーなら


「さぁ、一緒に帰ろっ♪」


メアが立ち上がるなり話しかけてきた。


だが、僕の怒りは収まらない!


「覚悟の準備をしておいてください!」

「キャー!」(黄色い声)

「ふぇっ!そ、そんな急に言われても…」


まだだ!まだ怒りは収まらない!


「覚悟とは!! 暗闇の荒野に!!」


「進むべき道を切り開くことだッ!」



やるじゃねえか

ジョ○ョネタも分かるとは。

メアのおかげで怒りは収まった。

クラスの男子も大喜び

元ネタ知ってるヤツらがウェーブしてる。


「まて、お前とは一緒に帰れない。僕は瑛太と帰るんだ」


「会田君?会田くんなら号令言い終わる前に帰ったわよ?読み返してみなさい」


はっ!ほんとだ!

礼ってちゃんと言ってない!


「裏切り者めぇ」


「さっ、帰ろ♪」


ガシッ


胸倉を掴まれる僕+その腕を降ろすメア

=女子高生に引きずられる不審者


どっちかって言うと引きずる女子高生の方が不審者だと思いますよね。分かります、その気持ち。クラスの視線はメアに向かっていたい痛い痛い痛い!


「か、階段だぁ!いてぇでやす!」


「一緒に帰るなんて、ちょっと恥ずかしい///」


「聞いてねぇでざます!」


「手…、繋ぐ?///」


「はい!助けて下さい!」


振り返るメア。片手を両手でしっかり掴んで身体の方に引っ張る。重心をずらし、流れるように僕を背負い投げる。綺麗なフォームだ


ビューン!


「うわああああああぁぁぁ!!」


オーバーリアクションではない。

僕は下駄箱を通り過ぎ昇降口を通過。正門の前まで飛んで行った。ゴリラ女め。


そのまま誰かにストライクショット。

そこには見知った顔が2つあった。


「やぁ、こんにちは会田君」


「気色悪い。寄るな。言動全てが汚い」


と、辛辣な瑛太。隣の恵子も


「飛んでくるのは予想外だわ笑」


こいつら一緒に帰ってたのか。

仲のいいカップルだ。羨ましい」


「「カップルじゃないから!」ではない」


あら、口に出てたみたい。そんなこんなで4人で帰ることになった。


「来るな」

「私もちょっと来ないで欲しい」

「じゃあねー♪不審者さん♪」


oh......

4人?そんなことはなかった。


4ひとり


メアはおかしいだろ。

一緒に帰るんじゃなかったのかよ。

不審者扱いはもう嫌だ。

絶対に不審な行動はしない。

だから不審者と呼ばれることは


※再びは無いです

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