よく「行間を読む」などといわれますが、思わず行間を『嗅ぎ』に行きたくなるお話ですよ。光の描写がお上手で、読みながら目を閉じて、イメージに揺蕩っていると、なんかそこで鼻が先へいこうとするのです。そしてぽかぽかと薫るのです。モフモフがもてはやされる昨今ですが、「猫っていいにおいがする」って思わせてくれる作品はそうそうありますまい。たっぷり頭と心のスペース取ってから読むのがお勧めです。
逆に恋愛要素というか乙女ゲー要素は多少薄い印象。今現在主人公の心を一番揺さぶった存在は動物だしねw
なんて可愛いの…と読みながら何度思ったことでしょう。主人公や魅力的な男子キャラたちはもちろん、動物も、主人公の家族や使用人に至るまで、みんなにほっこりします。筆力が素晴らしいのでうっとりと物語の世界を堪能できるし、ぜひ書籍化してほしいです。とってもオススメ!