長門有希の懺悔

長門有希の懺悔ざんげ

The Confession of Yukirina de Nagatious


── 我が神父殿、わたしは罪を犯していない。非に値するようなことは一切していないし遵守そんしゅすべきルールを破ったこともない。


 強いて挙げるなら、八年前の冬、積み重なる未知のエラーの処理に追われ、完全なオーバーフローを引き起こした挙句に世界を改変するなどという暴挙に至った。あれは黒歴史。わたしにとっても、情報統合思念体にとっても、銀河史はじまって以来の黒歴史として深く刻まれることとなった。故にわたしは、今回の朝比奈みくるの歴史改変を阻止そしすることはできなかった。わたしにはその資格がないのだと感じた。

 それは特定の誰かに対してき上がる感情であり、ゼロから発生する無尽蔵むじんぞうのエネルギーであり、世界を改変する力すら持っている。だがそれは持てる本人の責任ではない。

 かつて彼はわたしの失態についてとがめ立てはしなかった。この感情を持てば誰にでもそういうことがあるものだとゆるしてくれた。


 故にわたしは彼が……大好き。


 神父殿、心拍数ならびに血圧が急上昇しているが大丈夫か。

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