古泉一樹の懺悔

古泉一樹の懺悔ざんげ

The Confession of Itsuki of Koizumi


── 神父さま、僕は罪を犯しました。


 昨今では信仰心が薄れてクリスマスにしかクリスチャンにならない一般人が多く、神や仏を背負った宗教法人といえども経営が厳しいと聞いていますが、神様はいかがお過ごしでしょうか。物質的にたされると神も仏もその存在を忘れられてしまう、まったくバチ当たりな世の中ですよね。


 さてここだけの話、機関で新興宗教をはじめることになりましてね。いえいえ、涼宮教だなんて名前はベタすぎますよ。そうですね、総本山は県立北高にでもしましょうか。あの辺は毎年巡礼者が多いと聞きますから、あつらえ向きなんじゃないでしょうか。毎月一定の参加者をつのってコスプレで町内を練り歩くという参拝行事はいかがでしょうか。こういうキャッチコピーはいかがです?『あなたも宇宙人未来人超能力者、そして神的存在の涼宮ハルヒになれる参拝ツアー』


 よろしければ神様もご入会なさいませんか。今なら入会費サービスさせていただきますよ。おっと、これはとんだ失礼を。あなたにはちゃんと信者がいらっしゃいますよね。特典に朝比奈みくるの生写真をお付けしてもよろしかったんですが……えっ、ご興味がおありと。そうですか。では予約特典としてひとケタ台の会員ナンバーを進呈させていただきます。一番はもちろん僕ですが。ちなみに会費は月々一万円、年間前払いですと十パーセントほどお得になります。さらにご入会後一年以上経った方にはプレミア会員へのアップグレード、さらにはVIP会員権もご用意させていただいております。


 という詐欺さぎをやってしまいました。お察しの通り、ボロ儲けでした。どうかおゆるしを。

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