第三章
集結の章
なぁにこれぇ・・・
1日遅れました
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「今日もあっついなー・・・」
とても暑い日差しの中、俺は今日もうんざりしながら畑の世話をしつつ、流れる汗を手拭いで拭う。
「・・・やっぱりうちの畑の野菜は丈夫だな・・・てか、おかしいよね?」
言いながらこの前収穫した野菜を又収穫する。
「育つの早すぎでしょ・・・」
発育が良いのは分かるが直ぐに収穫出来るのは色々とおかしい。何せ今から種を蒔くと冬に収穫できるほうれん草を今収穫しているんだから。
「どうしてこうなった?」
原因は判っているのだが、どうする事も、いや、怒る事が出来ない。
「おーい、浅太ー!」
遠くから呼ぶ声に振り向き手を振り返す。しばらくするとお隣の幸太兄が汗を拭きながらやって来た。
「幸太兄、今日もあっついねー」
「だべな・・・それはそうとおめぇんとこどうよ?」
「どうよ?って何が?」
「畑のこったよ!」
何と無くその後の言葉が予想出来てきた。恐らく兄ぃの所も同じ状態なんだろう・・・
「兄ぃんとこと変わらないよ・・・さっきほうれん草が収穫終わった。」
「やっぱりか・・・原因はやっぱり?」
俺は苦笑いが止まらない・・・兄ぃも分かっているから頭をガリガリかくも文句は言えないでいる。
「・・・はぁ。流石におかしいから言っとくよ・・・」
「・・・そうしとくれ・・・これじゃ軽く異変だべ・・・」
その後、家に戻った俺は今起きている事を話す為、流れる汗もそのままにその人物を探す。
「菊理ー!何処だー!」
家の裏手から「はーい」と聞こえたのでそちらに向かうとどうやら彼女は洗い物をしていたみたいだ。
農家に相応しく無い着物・・・十二単と言うんだがそれに襷掛けをして洗い物をしている正気の沙汰じゃない彼女は、この間結婚した妻の菊理で、その正体は幼なじみの菊と同化した
「あぁ、此処か。すまん、ちょっと話があるんだが・・・」
「?今日の晩ごはんは氷魔法を叩き込んだ冷やし大根の煮付けですよ?」
うわぁ、キンキンに冷えてて煮付けの意味が無さそうだ・・・じゃなくて。
「い、いや、な?畑の事なんだが・・・」
「畑がどうかしたの?」
どう言ったものかと思案するも意を決して話す事にした。
「菊理が此処に来てから土地に加護を与えて守護しているのは・・・ありがたいんだけど・・・その、何と言うか・・・もうちょっとだけ加減してくれないか、な?」
「ふぇ?どう言う事?」
幸太兄の家
「すみません、調子に乗ってましたー!」
幸太兄の所で俺と菊理は思いっきり土下座をする。本来なら地主さんの所へ行くべきなのだが、菊理の正体や俺の副業?の事を知っているのは幸太兄夫婦だけだからだ。
「そんないに謝らんでくれ。悪気ぃあってしとったんやないやろ?」
「いえ、改めて考えてみたら本当に異変でしかありません。注意して貰わなければ国がやって来てもおかしくなかった、です。」
この場合の国とは朝廷の事で陰陽の術でもって妖怪や悪霊を退治し、この日の本を護っている特殊機関の事である。
そこに所属していた人物で有名なのは
菊理曰く「はるっきーは結構お母ちゃん子で事ある毎に訪問してた」「あっしーははるっきーを意識してたなー・・・色んな意味で」「かものんは父親がはるっきーに陰陽道を分割して宗家にしたのが疑問だったみたいで事ある毎に悩んで禿げたよ」だそうだ。
・・・呼び方はともかく、そんなに人等が居た組織に目を付けられると滅っされたりはしないだろうが、菊理や俺が飼い殺しな目に合うのは予想が付く。
「国がどうとかおら達にはよくわかんね。それに悪気があってやった訳でねぇど。」
「んだんだ。日照り続きで干し上がっちまうよかまだいいさね。」
「幸太兄・・・鶴姉・・・」
絶対的に悪いって訳じゃ無いから、これ以上は文句はでないから、これで手打ちって事で幸太夫妻から許しは出た。
「菊理、俺の方こそすまん。もう少し考えが足りていればこうはならなかった。」
「浅兄・・・・・え?これは・・・!」
「・・・この感じ・・・まさか!?」
流石女神と言った者か菊理が先に気付き、その後俺も気付いたのだが幸太兄達一般人側は急に警戒しだした俺達の様子に何事?と顔を見合わせる。
「菊理、2人を。」
「任せて。」
家の外を睨む様に警戒しているのだが、一向に入ってくる気配は無い。
俺は慎重に引き戸の影に隠れながら時を見計らい、開けると同時にその気配に向かって飛び出した・・・・・・のだが。
「・・・浅兄?」
菊理が飛び出した物の静かなままだったので警戒しながら外へ出てくる。
そこには大名何かが使う様な豪華な駕籠とその周りに控える20名程のお侍さま達と駕籠から降りて土下座しているかつての強敵の死人使いネビロスだった。
「なぁにこれぇ・・・」
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