有澤は病弱なのか?

 病弱なのではない。ただ、夏が暑いのがいけないのである。


 書評からお察しのとおり、有澤は夏が非常に苦手である。体力がない。よく倒れる。

 夏バテと貧血と熱中症のトリプルパンチであるがゆえに、有澤の体力は容易に奪われてしまうのである。


 勿論、若かりし頃はそんなことはなかった。日本の夏が今ほど暑くないせいもあるかもしれないが。


 救急車で搬送されて以降、夏はすっかりダメになってしまった。

 忘れもしない、それは有澤大学生の記憶。暑い夏の日、ちょっと近くのショッピングモールにでも買い物に行くか、ついでにレンタル店に行ってCDとか借りて来よう。そんな軽い気持ちで自転車をこぎ、意気揚々と外出した。午前中。


 帰りに倒れた。


 横断歩道を自転車でこいでいると、何だか身体の末端に力が入らなくなってきた。あれ? と思って自転車を降りる。押して進む。そうすると視界がどんどん真っ白く塗り潰されていって、「あ、これやばいな」と自覚した。


 横断歩道を渡り切って、マンションの前の花壇に腰かけていた。もう目の前は白いんだか黒いんだかわからなくなっていて、でも目は開いていて。こんなこと初めてだったから「もしかしてこれ死ぬのかな」とか本気で思った。身体が言うことを聞かないもので。怖くなった。


 だんだん身体から力が抜けていって、座る体勢も辛くなって、道路に倒れ込んだと記憶している。


 視界は白黒しているけれど、意識はちゃんとあって。それが余計に怖かったのだけれど、いっそ気絶した方が楽な気もしたのだけれど、そういったことはなく。

 倒れて少ししたら、そのマンションで搬入作業をしていた引っ越し業者のお兄さん二人に助けられた、と記憶している。マットに寝かせてくれたり救急車呼んでくれたりスポーツドリンク買ってくれたり至れり尽くせりだった。感謝してもしきれない。


 それ以降、すっかり夏は弱い身体である。幸いなことに倒れ込む事態には陥っていないけれど、それはその前に限界ですって言って休むようにしてるからだとは思う。


 無理するの、ダメ絶対。

 結局食が細くて夏場は肉が食えずもやしうめぇとか言い出すのも弱る一因と自覚はしているが、残暑も油断せず行こう。

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