拝啓、愛するあなたへ。

 これが届く頃、そちらは

 穏やかになっていますか。

 こんな形になってしまって申し訳ない。

 あなたのもとへは帰れそうもないから、

 泣いていやしないかと

 心配しているのですよ。


 何年前のことでしょうか、暑い夏の盛りに

 咲き誇る向日葵の隣で笑っていたあなた。

 いまでもよく覚えています。

 思えばあれが初恋でした。

 あなたのお父上には大反対されましたが、

 僕の隣にいてくれてありがとう。

 短い、本当に短い間だったけれど、

 毎日が楽しくて、素晴らしかった。

 あなたは、僕の最初で最後の恋でした。


 いつの日か、遠い未来で

 眠りにつくその時まで、

 あなたが幸せでありますよう。

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