第13話「嫌気」

 何の為に生きているのか。

 それが分かれば苦労しない。

 こうして筆を取ることもまして。


 私は仲良しでありたかった。

 少なくとも片思い程度には、友人だと思っていた。

 彼女が屈託のない笑顔のまま毒を吐くまでは。



「――仲良くない友人といると、つい喋っちゃって⋯⋯だから、黙ってるの苦手なんだよね」


 その時彼女の目は私を見ていた。



 私は撃ち落とされるよりも早く、心臓を穿たれた。

 それまでの私に当てはまらない常識が、ガツンと音を立てたのだ。


 私はもうどうしようもなかった。ふらついて、胸を締め付ける苦しみの行き場を見失って、泣いた。


 それでもまだ残るしこりが、彼女への憎悪に変わる。

 私はこんなにも、彼女を思っているのに。


 どうしようもない人間だと、私は私をわらった。

 嫌われている。

 そう、勝手に変換して、また落ち込んだ。


 今もまだ、答えがない。

 どうしていいのわからない。

 助けてくれ。



「誰か。助けてくれ」



 そう唱えても、誰の手も見えない私には、元々彼女のそばにいる資格は無いのだと思い、諦めるより他の選択肢は残されていなかった。






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