第2話 店長と佐々木の業務内容
日差しが燦々と照りつける中、バイトをしている僕は
この後夜勤も入ってるんだよな、、。と悲しき思いを抱きながら仕事に励んでいます。
何があったのかは知りませんが今日来ていたバイト志望者の子が
やけに良い表情で店を後にし、そのあと事務室から珍しく落ち込んだ店長が出てきました。
「佐々木く〜ん!!!もー大変な新人入っちゃったよ〜。
も〜心配しかない。あーもうどうしよーどうしよー!!。」
楠木さんは店長でありながら仕事が下手で何かあるとすぐ僕に泣きついてくる
店長をあやすのは中々面倒な作業なので今度それに対する特別手当てをもらおうと思った。
「まーまー店長、面接でそんな感じでもいざという時に開花するタイプかもしれないじゃないですか。」
「そうだね、、。佐々木くんの言う通りかもね。あの子は私と同じ匂いがした気がするよ。佐々木くんあの子きっと開花するからよく面倒見てあげてね!」
そうか、万年蕾の店長と同じ匂いか、じゃあ開花はしないな。
そのかわりよく面倒を見なきゃいけないのは確かなようだ。
やっぱり特別手当て貰おうかな、、、。
佐々木がこのように思ったのはもちろん内緒のことだ。
「わかりましたよ店長、僕が彼を立派なバイト君に育てて見せますよ笑」
「ありがとう!!佐々木くん!!」
「よし!じゃあ僕も仕事しようかな、佐々木君、なんか手伝って欲しいことある?」
それを探すのが社会人ってものだろ、、てゆうかあんた店長だろ。
佐々木が店長に向けそう思ったのも勿論秘密である
「なら店長、この前店長が壊したレジ、廃品回収に出しといてくさい。」
「うん!わかったよ!任せといて!!」
その直後、店長のところから、、
ガッシャーーン!!!!誰もが驚くような大音量が店中に響く、
幸いか否か今はお客さんが誰もいなかったため驚いたのは佐々木だけだった。
「店長どうしたんですか!?!?」
事件は隣のレジで起きていた、、。
店長が今朝入ったばかりの新品のレジを壊していたのであった、、。
「ごめん、、佐々木くん。」
弱々しい声で店長が言った
佐々木は店長も廃品回収に出してしまいたい。という思いを胸に閉じ込め
「大丈夫ですか店長?店長が無事なら良いんですよ。
今壊したレジも廃品回収出しといてくださいね。」
「うん!ありがとう佐々木くん!!」
「あ!佐々木くん!今日終わったら僕のおごり一緒に飲みに行こうよ!!
といっても夜勤もあるから朝飲みになるけど笑」
佐々木にのみのお誘いをし店長は笑顔で壊れたレジを事務室に持って帰った。
佐々木はその後ろ姿を見ながら
店長って抜けててめんどくてポンコツだけど、なんか恨めない人だよな
そう思った。
そして一言
「でもやっぱり特別手当て貰おう、、。」
そんな佐々木は今日も営業スマイルをたくさん浮かべ
トコロテンマートでみなさんのご来店をお待ちしております。 end
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