プレミアムなバイト先
ろうそく男爵
第1話 面接のあるべきすがたについて
人物紹介
店長 楠木 初
バイトリーダー 佐々木 修
バイト 相田 よつを
その他はこれから出勤予定
本編すたーと
「おはよ〜佐々木くん」
なんとも締まりの無い声で佐々木に朝の一声を捧げる男
その名は「楠木 初」彼は夜勤時給2500円でお馴染みのコンビニ
「トコロテンマート」を経営している。
現時刻は午後一時半過ぎ、週明け初めての出勤である。
「店長、、シフトでは2時からの出勤になってますけど、今日バイトの面接が一時に入ってるんでしたよね!?てかもう人来てますよ!!!」
仰々しい表情で店長にそう告げる男、、その名も「佐々木修」
普段は夜勤のバイトリーダーだが今日は助っ人として昼勤をしている。
「やばい、、忘れてた!どうしよう佐々木くん!!ただでさえ仕事が荒いって言われる僕がバイトの面接忘れてるなんて…上の人にかなり叱られちゃうよ!!」
「いや店長個人経営のコンビニなんだから叱られようが無いでしょう、、。てか丁寧に仕事しろ!!てか早く面接行け!!」
「はいはいわかったからそんなに荒ぶらないで、ね、」
焦りと呆れと怒りとノリツッコミの配合芸をしているかのような佐々木をなだめ
楠木はバイト志望者のいる事務室へ向かう。
「ごめんね〜電車が遅延しちゃってたせいで出勤できなかったんだ〜。待ったよね、本当にごめん!」
「いえ別に、お陰様で面接に対する心構えも整えました。お気遣いありがとうございます」
クールに優しく丁寧に店長の謝罪を返すこの男、その名も「相田よつを」
彼はこの物語の一応主人公であり彼の素性は設定建て不足のため作者含め誰も知らない。
つまりこの先ウルトラ高スペックにでもスーパー低スペックにでもなれる
ある意味すごい人物なのだ。
「おっ嬉しい返ししてくれるね〜今すぐ採用したくなっちゃうよ。
でもまぁそういうわけにもいかないからいくつか話聞いていきます。」
「年齢は?」
「20歳です」
「じゃあ大学生なのかな?」
「はい、国立寒天大学法学部に通っています」
「寒天大!?国内最高峰の学校じゃないか、これまたすごいとこ通ってるね〜」
「ちなみにうちのコンビニへの志望動機は?」
「夜勤の時給が高いところです。大学生としてはこれほどありがたい職場はないと思いアルバイトを申し込ませていただきました。」
「へ〜これまた嬉しいこと言ってくれるね〜時給目当てって正直に言えるところがこれまたプラスだよ〜」
「はい、ありがとうございます。それとここを志望する理由はもう一つありまして、、」
「ん?なんだい」
「僕はここで以前店長が品出しをしているところをお見かけしたことがありまして、
その乱雑さと言ったらもう、、笑 ここで働けばどんなミスをしてもいいんだなって思いました。その一件でさらにここで働きたいと感じました!!」
「へ、へぇ〜そうなんだねー、、。」
(違った〜こいつ正直者じゃなかった〜むしろ非常識者だった〜!!
当事者に向けてそれいう!?普通言わないでしょ!?まぁ普段から仕事が荒い俺のせいなんだけどね!!)
「よし、じゃあ相田くん結果は追って連絡するから、お疲れ様。」
「ちょっと待ってください!!その反応落とす気ですよね!!」
(ギク!!)
「あんまりこういうことを言うのはあれだから言わなかったんですけど、、
僕とびきりのアピールポイントがあるんですよ。」
「ん〜、、一応聞いてみようか。」
「僕じつは新O結衣とか広Oすずさんと仲良いんですよ」
楠木は耳元で打ち明けられた相田の友人情報に度肝を抜かれた。
最初は嘘だと思ったらラOンを見せられそこには紛れもなくその二人との
トークを記す画面が、、いやむしろその二人以外のあの人やこの人のまで
沢山の有名人達とのトーク画面が広がっていた。
なんと今週の日曜は生O斗真くんと飲みに行くようだ。
(まさか相田くんがそんな太いパイプを持ってたなんて、、。)
「店長さん、僕にかかればこの人達との合コンだってできちゃいますよ。」
店長に冷静に考える余地などなかった。
「相田くん!採用だ!!晴れて君は今日からトコロテンマートのバイトだ!!
あらためてよろしく!!!」
「こちらこそ!よろしくお願いします!!!さっそく今日の夜勤から来てもよろしいですか??」
「あぁ勿論だ!いつでもきたまえ!その時は合コンの話詳しく聞かせてね!!」
「あぁ店長!その話嘘ですよ笑」
「、、え??トーク画面の人たちは?」
「名前設定で変えてるだけです!」
「、、は!?なんて嘘をつくんだ君は!やっぱり採用の話なしにさせてもらうよ。」
「何を言っておられるんですか店長!!お互い様じゃないですか!」
「え?」
「今日バイトの面接忘れてたんですよね?
佐々木さん?って人との会話漏れてましたよ!」
「え、いやそれは、その、、」
「てことで店長さっそく今日からよろしくお願いします!じゃ、また後で!!」
バタン!!豪快に事務室のドアをしめ相田くんは颯爽とコンビニを出ていった。
店長はその日事務室のドアを分厚くする工事を行うこと、佐々木くんとの会話を小声にすることを誓ったのであった。end
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