雪の国
朝は冷えた、雪の国がもうすぐそこだからだろう。今日はいよいよ雪の国だ。緊張からか予定よりも早く起きてしまった。
冷えで体が固くなっているため、朝風呂に入り軽く体操をしてからホテルを出た。
今日は山のふもとの村まで行く予定だ。あそこにはホテルがないため村の村長に相談して止めてくれる家を探そうと思う。万が一村にたどり着けなかった場合は野宿だろう。それはなんとしてでも避けなければならない。
暖かい格好をして、野宿の覚悟もしながら空へ飛ぶ。雪の国は"国”とついてはいるが正式に国とは認められているわけではない。そのため、入国審査がいらないので雪の国には直ぐに入れる。
私は寒いのが嫌いだ、暑いのは耐えられるが寒いのはどうしてもたえられない。飛び始めて直ぐに寒すぎて泣きそうになった。
(もう、帰りたい…寒い…)
鼻の中まで冷えきたが吐く息は白くない。前にテレビで、雪の国は空気が綺麗でチリや埃が無いので、水蒸気がくっつく事ができないから寒くても吐く息が白くならないと聞いた。
こんなに寒いのに息が白くならないなんて、なんだか慣れなくて変な感じかする。
大地は真っ白で、寒さで空気がガラスのように透き通っている。建物もなく、人もいない。なんの音も聞こえない。
(不思議なところだ、静かすぎてなんだか怖いな)
この時期は太陽が昇らないため空は薄明でとても綺麗だが時間感覚が狂ってしまう、なるべく早く村に着きたいところだ。強い風も吹いてきたし急ごう。
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