46.台詞忘れた!

「あー台詞忘れた」

 苦々しげな声が聞こえた。

「何の?」

 千也はギュッと眉根を寄せて答える。

「ただいまってうちの国の言葉で何て言うんだっけ?」

 あと、おはよう、おやすみ、こんにちは、こんばんは……。

 忘れた台詞を指折り数える。

「それ台詞じゃないと思うけど」

 自国の観光ガイドで言葉を調べる王の兄に、瞳はそっと呟いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る