22.ラストバトル2060

 パンチパンチキックキックキックパンチ

『火炎獄』

 炎が一面に広がり、格闘家の男は倒れた。

 YOU WIN

 魔道師の男の手が高々と上げられる。



「あー」

 千也はぐしゃぐしゃと頭をかきむしった。

「また負けた。途中まで優勢だったのに」

「必殺技を出さないからよ」

 その隣で勝った瞳は涼しい顔だ。

 暇を持て余した二人はゲーセンにて格ゲーを楽しんでいるのである。

 当然、千也のおごりで。

「今のとこ全敗か……よし、もう一回」

「また?」

「次で最後にするから。もちろん金も払うし」

「ならいいわ」

 千也は百円玉を入れる。




 こうして、二千六十回目の勝負が始まった。

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