2.ろくな男じゃありません

「行ってきます」

 朝、瞳は会社へ出かけた。

「いってらっしゃい」

 千也はソファに寝っ転がってテレビを見ている。

「ただいま」

 夕方、瞳は仕事を終え家へ帰ってきた。

「おかえり」

 千也はソファに寝っ転がってテレビを見ている。

 朝と全く同じ体勢、同じチャンネルだ。



「千也さん、ごはんできましたよ」

「ここに持ってきて」

「手伝おうとかそこから動こうとかいう気はないの?」

「昔は全部母親が、今は使用人がやってくれるから」


 瞳はとりあえず、千也をソファから蹴り落とした。

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