第2話
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この会社には、社内塾のようなものがある。業界の専門的知識を取得する為に、基礎からしっかり学ぶ場所だ。本社から講師が来ている。
新入社員は現場実習に行く前に、ここで最低限の基礎知識を学ぶ。
けれど新入社員が学ぶのはあくまでも最低限の基礎だけ。配属が現場になった者は、更に広く深く学ぶコースを受講する。
私は中途入社してから、ずっと現場職場だった。現場で色々な仕事を体験してきたのでスキルが結構付いてきた。先日ようやく、社内塾の基礎コースを受講した。
現場の仕事をしていても、専門用語の中味を解っていなかった。知らずに単語だけ使っていた事になる。何だか恥ずかしい。
基礎コースを学んだお陰で、菊池さんと自然に専門的な話が出来るようになった。仕事がやり易くなった。
一緒になる時間が増えて、時々業務以外の話もするようになった。
私が時々、受講する訳でもなくただ単に社内塾に遊びに行っている事に菊池さんが驚いていた。先生はいつでも遊びに来ていいって云ってたから、むしろ私は遊びに行かない事に驚いた。
うーんでも確かに。上級コースとか難しいらしいし、男性陣には厳しいという噂もあるので、そうなるのか。
「あの先生とどんな話をするの?」菊池さんが尋ねてきた。
「結構他愛無い話だよ、仕事でこんな事あったとか、先生が部下と飲みに行ったとか」
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