ニールへの手紙:自殺について 2020年6月5日

ニールへの手紙:2020年6月5日


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読者の質問:


ニールさんへ


 私は6月8日に兄を自殺で亡くしました。この文章には個人的な感情や考えを入れずに、できるだけ簡潔で要点を押さえた内容にしたいと思います。


 兄はハンチントン病(HD)を患っていました。これは神経変性疾患で、時間が経つにつれて身体的、精神的、感情的に生活の質が低下する病気です。


 遺書には、家族や友だちへの愛と支援への感謝に加えて、決断した前後には自分と神との間で平和を築いていましたが、自分の前に待ち受けることを知って、このような恐ろしいほどの不安を抱えて生きたくなかったと書かれていました。そして、おそらくもっと重要なことは、彼を世話する人の重荷になりたくなかったということです。(母だけでなく祖母も、この病気によって老人ホームで亡くなるのを彼は見ていましたし、一時期は母の介護さえしていました)


 言うまでもなく、私たちはみんな完全に打ちのめされ、これほどの痛みを経験したことはありません。兄が死ぬ数ヶ月前にあなたの本(『神へ帰る』)が出版されるとすぐに、私はそれを注文して読みました。


 神が自殺について語っていたことを思い出したので、すぐにそのページに戻って自分の痛みを慰めようとしました。


 私の疑問と心の痛みは、このような病状のために人間が自ら命を絶つことを決意した場合、逃げようとした物事を経験するためだけに、再びこの地上の生活に戻ろうとする、あるいは戻ってくるのかということです。私は、彼は今、はるかに良い場所にいると信じています。そこには苦しみも、どんな種類の痛みもありません。


 もし可能ならば、私はこのことについてあなたから直接お話を聞きたいのですが、あなたはお忙しく、すべての人に答えることができないことを私は知っています。


 ありがとうございました。


ロン


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ニールの返事:


 親愛なるロン... 『神へ帰る』では、自分の生命を絶った人は再び肉体に戻り、自分が逃げようとしていた体験そのものをもう一度体験することになると言っています。


 しかし、彼らはこの体験を新しい方法で体験します。つまり、最初に体験したときのすべての感情的、心理的、精神的な混乱を含んだり、生み出したりしない方法です。


 ですのでご安心ください。再び体験をする目的は、苦しみに遭遇する必要がない新しい方法で、それを体験することです。そうでなければプロセスに意味がないでしょうし、宇宙はいかなるレベルでもエネルギーを浪費することをさせることはありません。


 私は、あなたのお兄さんが自分の道を進み行き、それに打ち克ち、そして、あなた方が喜びと幸福の経験の中で再び一緒になることを、そしてそれぞれの魂は、その経験の全き完璧さに感謝し、永遠の旅を続けるとき、すべての愛する者たちと再び一緒になることに歓喜することを知ってくださって、あなたの心の痛みを解き放つことを望んでいます。


愛を込めて...


ニール


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*〈伊能言天〉からのお願い:神・人生に関心のおありの方に、当ページを紹介いただけましたら嬉しく思います。→https://kakuyomu.jp/works/1177354054886666914

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