1) キリスト教教義の見解

 旧約聖書には、人間始祖のアダムとエバ(=イブ)の堕落以後、その子孫が増えてユダヤ民族となり、堕落することによって神に追放されたエデンの園(現在のイスラエル辺り)に、再び帰っていく歴史が書かれています。


 ユダヤ民族は、神の国(地上天国)を建設するために、神に選ばれた選民であるとしています。


 そして、堕落人間を救済するために、神からイエスキリストが、救世主としてユダヤ民族に遣わされました。


 しかし救世主を待ち望みながらも、多くのユダヤ人たちは、イエスを救世主と認めず、十字架につけて殺害してしまったのです。


 ユダヤ教では、イエスキリストを救世主とは認めず、一人のラビ(ユダヤ教の教師)と見なしています。


 一方、イエスキリストの説いた教えは『新約聖書』として編纂され、キリスト教の教典になっています。


 旧約、新約ということばは、キリスト教的な表現なのです。地上天国へユダヤ民族を導くと、神と交わされた契約を「旧約」とし、イエスキリストを信じる者を神は救済するという契約を、「新約」といっているのです。


 キリスト教では、生まれながらに原罪を持っている人間を救済するために、神から、救世主としてイエスキリストが遣わされたとしています。


 イエスキリストは、人類すべての罪を自らが背負って十字架上で亡くなり、3日目に復活しました。そのイエスキリストを信じることによって、人間の原罪は贖(あがな)われ、神に許されるというのが、キリスト教の救済論なのです。


 イエスキリストによる贖罪(罪のあがない)を受けなければ、何びとも天国に入ることはできません。


 人間は死ねば霊界に行き、その人間の生き方の良否によって、それぞれ、天国・地獄・煉獄・リンボーに行き、永遠にその領域(場所)にとどまらなければならないのです。


 キリストによる救済を受けるためには、聖書を読んだり、教会の礼拝に参加するなどして、イエスキリストの教えを信じて実践し、洗礼を受ける必要があるのです。


 洗礼を受けることによって、死んだ後、霊界の天国に入ることができるのです。


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