3) 人間の行動のすべては、愛か不安に根ざしている

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 人間の行動のすべては、愛か不安に根ざしている。


 不安はちぢこまり、閉ざし、引きこもり、走り、隠れ、蓄え、傷つけるエネルギーである。


 愛は広がり、解放し、送り出し、とどまり、明るみに出し、分けあい、癒すエネルギーである。


《神との対話1-P34》

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 いろいろな方法であなたがたは適者になろう、いちばん強くなろう、利口になろうと必死になり、どんな状況でも、少しでも劣っていれば負けてしまうという不安におびえる。子供のころからずっと、劣った者が負けると言い聞かされてきたためだ。


 だが、教えてあげよう。愛に支えられた行動をとれば、生き延びるだけでなく、勝利するだけでなく、成功するだけでなく、それ以上のことができる。そのとき、自分はほんとうは何者か、そして何者になりえるのかという、栄光に包まれた経験ができるだろう。


《神との対話1-P35》(一部略)

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 『神との対話』では、「不安」についても述べています。


 不安は、愛と対極をなす感情です。愛は、広がり、開放、分かち合いなどのプラス思考的な感情ですが、不安は、縮小、閉鎖、収奪などのマイナス思考的な感情です。


 現実世界は、相対性の仕組みによって成り立っています。人間の感情における相対性の両極が、この「愛」と「不安」なのです。この両者の感情が、アクセルとブレーキのように調和的に働いて、人間は日常生活を営んでいるのです。


 人間の思考や行動のすべては、基本的に、「愛」か「不安」の感情に根ざしていると、『神との対話』ではいっています。


 そのバランスが保てなくなると、情緒が不安定になり、行動の平静さがそこなわれるのです。


 現代社会の人間は、子供の頃から、不安をあおられたり、不安を抱えて生きるように教えられたりしています。


 「強くなければ人生で負ける」「勉強ができなければ負ける」と、親や先人に言われ続けて育ってきたのです。「負け組み、勝ち組み」という発想は、その典型的なものといえます。


 現代社会では基本的感情が、不安に偏り過ぎているといえるのです。「不安」への偏りを、一朝一夕に正すことはできません。人間社会の文化は、長い歴史の中で作り上げられてきたものだからです。


 教育から社会のあり方に至るまで、あらゆるものを愛を基本としたものにしなければ、それは改革できないのです。

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