1-3


 爪のあいだに残った肉片も、服に染みた赤黒い液体も、直に気にならなくなった。気にならないほどに汚れてしまったからだ。最初はむせていた匂いにも、もう慣れてしまった。

「……おにーちゃん、だいじょうぶ?」

 外は吹雪いていた。僕達は小さな洞窟を見つけ、そのなかに入り、寄り添って暖を取っていた。何度か洞窟の脇を足音が通過していくたびに、妹は僕の腕を掴んで震え、僕もまた心の準備をしていた。……戦うには、覚悟が必要だった。

「……イロたち、どうなるのかな」

 不安そうに呟いた妹に、何も答えられないまま、そっと頭を撫でてやる。僕の中にも不安しかなかった。これから先、どうなるのかさっぱりわからない。いつ襲われるのかもわからない。それでも、僕がそんな態度をしては、妹はより不安になるだけだ。何も言えなくても、震える姿だけは見せてはいけないと思った。

「……あのひとたち、れいかおにーちゃんとおなじふく、きてたね」

「……そうだね」

 見間違いかと思ったが、妹もそう言うのならそうだったのだろう。あの黒装束は、兄が人間に紛れて働いている組織と同じものだった。

 バレたら殺される。そう言っていた兄は、もうずっと帰ってきていない。兄は殺されたのかもしれないと思うと同時に、いいようのない不安と虚無が襲ってきて、叫び声をあげたくなるのを、妹を撫でて必死に抑えた。

「……さむいね」

「……そうだね」

 入り込んできた冷たい空気に身を縮める。さっき殺したやつらから、上着を奪ってくればよかったと後悔した。……同時に、新しく殺して奪えばいいのかという考えも頭に浮かんだ。

「……イロはいい子だから、ここで待っていてくれる?」

 また外から足音がする。人数は少ない。さっきのやつら程度なら、遅れを取ることはないだろうと確信していた。それに、寒さに弱い彼らなら、上着だけでなく暖を取るものや、食料ももっているはずだった。

 不安そうにする妹に、絶対にここにいてと念を押し、様子を窺いながら外へ出た。通り過ぎていった人間達の後ろ姿が見える。数度息を吐いて、覚悟を決めた。強く一歩踏み出す。僕は吹雪だった。寒さは感じない。相手の動きが止まって見える。

 相手がなにか言ったが、その声を聞かずに心臓を抉る。次いで仲間を呼ぼうとした隣の男の首を爪で切り裂く。勢いの良い鮮血があたりに飛び散る。もう一人、怯えうずくまった男を見おろしながら、腹を蹴り、首を掴んで地面に叩きつける。何かを唱えている口を下にして、後頭部を思い切り踏みつけると、面白いくらいぐにゃりと頭が潰れていく。飛び出した脳みそを見て、食うには手間がかかりそうだと思い、やめた。

 聞き耳を立てながら辺りに目を凝らす。すぐ来れる距離に仲間はいないようだ。僕は急いで奴らから服を剥ぎ、持ち物を漁った。思った通り、恐らくは食料と水、それから暖かいものを持っていた。僕はそれらと服、ふと思い立って一人の持っていたナイフを掴んで立ち去ろうとし、はっとした。僕の足跡が赤かった。急いでそこらじゅうに跡を付けて誤魔化し、色がつかなくなったのを確認して、妹のもとへ帰った。この吹雪なら、色さえ残っていなければ、すぐ紛れるだろう。

 洞窟の中で震える妹に声をかけ、奪った上着を被せてやる。

「……これ、どうしたの」

「……借りたんだよ」

 微笑むだけの僕に、妹は深くは聞いてこなかった。男達のもっていた、鉄製の容器に入った温かなスープを僕らは分け合い、服を被って寄り添って夜を明かした。

 心が休まることは無かった。いつあいつらがここへ来るとはわからなかった。そしていま、妹を守れるのは僕だけだった。長い時間をかけ、ようやく寝息を立て始めた妹の頬を撫で、僕も目を閉じた。

 ……生き延びなければいけない。たとえどんな手を使ったとしても。



「どうした」

 不機嫌なユクシーの声に、ミヅキは目をぱちくりさせる。子供らは朝の支度をしている時間だが、ミヅキはいつも寝ているあの部屋で、机を持ってきて朝食をとろうとしていた。

「いや、だって、これ」

 彼女の目の前にあるのはいつもの見慣れない、口に合わない謎の料理ではない。見た目で言うと、パンに味噌汁、サラダ。なぜ味噌汁なんだろうとは思うものの、漂ってくる匂いや温かさはまさにミヅキの知っている世界のものであり、恐る恐る口をつけてみると、少しちがうものの、なんだかそれらしい味がした。

「……口に合わなかったんだろ。何も食ってないのは心配だったからな」

 特別だぞ、これっきりだからな、さっさと食え、と言葉を残し部屋を出ていったユクシーの背を見送り、ミヅキはもうひと口、味噌汁を飲む。……気がつけばまた、ぽろぽろと涙をこぼしていた。

 一言も発さずに平らげてから、丁寧に手を合わせ、誰にともなく「ごちそうさまでした」と言って、空の食器を運んでいった。


 朝食を終え、掃除を終えたところで、ユクシーに呼ばれ、ミヅキはころころと表情を変えながらついていく。なぜ呼ばれたのかはわかっていないようだった。

「入れよ」

 言われた部屋は、立ち入り禁止だと子供たちにきつく指導していた部屋だった。院長、つまりユクシーの私室。

「男の部屋にこんな可愛い子連れ込むなんて、ちょっと無理なんだけど」

「胸でもつけてから言ってみろクソガキ」

 眉間の皺を濃くしながら、ミヅキもユクシーのあとについて部屋に入った。しめろ、と言われ、警戒しながらもその通りにする。そこ座って、と言われたのは机のそばの椅子。足を組み腕を組み、背もたれに寄りかかりながら、少し古そうなクローゼットを開けたり閉めたりしているユクシーの背を見つめている。

 やがて、ほらよ、というユクシーの声とともに、ミヅキの視界が閉ざされる。柔らかい感触。動揺して暴れるが、すぐに服を投げつけられたのだということに気がついた。

「兄貴……アグノムのお古だけど、やっていいってさ」

 言われて、投げつけられた服を広げてみる。ミヅキには明らかに大きく、すこしくたびれたパーカー。

「いつまでも制服じゃ動きづらいだろ。ほら、これもやるよ、レイナが小さかった時のやつ、サイズ合うだろ、あとこれも、これはもういなくなったやつの」

 次々と投げられる服に半ば埋まりながら、ミヅキはいちいち広げてみる。女性用のシャツやブラウス、ズボンにスカート。確かにミヅキの背丈には合いそうなものばかりだ。

「部屋持ってって着替えてこい。先に授業してるからな、不必要に遅刻したら昼飯抜き」

「横暴」

「着てみて気に入らないやつはここに置いとけ」

 じゃあ、と先に部屋を出ていったユクシーの後ろ姿を見ながら、ミヅキは積まれた服を見て、自分の服を見た。部屋の隅に裏返してあった姿見をもってきて、制服を脱ぐ。足には包帯。ユクシーが帰ってきてから消毒して巻いてくれたものだった。

「……なんか、意外と優しいじゃん」

 戸惑いつつも、もらった服に着替え、最初に渡されたパーカーを羽織ってみる。やはり袖はかなり余っており、動くと風を含んでふわふわと揺れるが、触りの良い生地で出来ており、少し匂いを嗅ぐと、年上の男の匂いがする。そこから兄のことを連想して、少しほっとして、鏡の向こうの自分に微笑む。

 はっとして、忘れないうちに制服の上着のポケットから、あの赤い花を取り出した。何も考えないで制服を脱ぎ捨てたが、花にはヒビなど入っておらず、ミヅキはまた微笑んだ。ぶかぶかのパーカーのポケットに突っ込んで、服の山からお気に入りを引っ張り出し、制服と共に抱える。特に興味のない服は、少しだけ端に寄せて、雑にたたみ、ユクシーの部屋を出た。

 昼飯を抜かれるのは困るが、どうせまたあの不味い料理だろうと見当をつけて、ミヅキは自分の部屋で、服を大切にたたみなおしていた。漏れる鼻歌は、大好きな歌手である兄の歌だった。


「サボっていいって言ってないだろ」

 顔の形が変わるほどに頬をつねられたミヅキは、ユクシーに目を合わせずに黙っていた。しばらく睨み合いが続いたものの、謝る気もないらしいミヅキに嘆息し、その服装を見て、何も言わずに去っていく。重々しい空気を感じ取っているものの声をかけられない周囲の子らの中で、カノンだけが、ふくれっ面のミヅキに話しかける。

「おねーさん、おようふく、すてきですね」

 昼食の時間は過ぎ、自由時間……もとい、遊びの時間が訪れていた。普段からミヅキは誰に話しかけられても遊びに誘われても断っていたが、カノンだけはどうにも邪険にできず、小さい声で、どうも、とだけ返す。

 やがて子供らが散り散りに遊び回っている中、ミヅキとカノンだけが、庭の隅の方で座っていた。

「あんた、遊んでくれば」

 遠慮がちにミヅキがいうと、カノンはいっそう笑顔になって言う。

「きょうはおねーさんといたいです」

「……勝手にすれば」

 笑いとも焦りとも不満ともつかない顔をしながら、ミヅキは遊び回る子供たちのほうをぼんやり眺めていた。いつの間にかその中にはユクシーも混ざっていて、子供らを持ち上げてみたり追いかけてみたり、忙しそうにしている。

「せんせえは、とってもやさしいですよ」

 カノンの言葉にミヅキは答えない。しばらく黙ったままだったが、ミヅキはやがて、カノンを振り向いた。ちらちらとユクシーの動きを伺いながら、耳打ちする。

「ユクシーには秘密なんだけど、朝、めちゃめちゃ綺麗な花、とったの」

「おはなですか?」

「そう!あたしが見つけたの……内緒にできるなら、ちょっと見せてあげてもいいよ」

「えっ……でも、せんせえにないしょ、ですか?」

「あいつには見せてあげないの!あたしに意地悪だから」

 と言ったあとで、今日はどちらかというと親切にされていることに気がつくが、ミヅキは言い直さない。首をかしげつつも頷いたカノンに、満足してミヅキはポケットにいれたあの花に触れる。

「……あのね、」

 赤くて綺麗な花が、たくさん咲いててね。

 話そうとした言葉が一つも出てこないまま、あ、の口のまま、ミヅキは固まった。何が起こったのか、よくわかっていなかった。そのままの景色に見えるのに、何かが一瞬で変わってしまったのを感じた。それはなんだろう、と悩んで、よく見て、よく見てはいけないと何かが警鐘を鳴らすが、彼女は目を凝らして、見て。

「あ、ないんだ」

 間違い探しのように、それまでの景色から変わってしまった箇所を見つけ、ミヅキは呟いた。隣で話していたカノンにあったはずのその顔は、頭はなく、首の断面が見えている。そこから吹き出る赤い液体がミヅキにかかるが、それが何であるのか、脳が理解しようとしない。ふと視線をずらせば、足元にその頭部が転がっているのを見て、ミヅキは手を伸ばし、触り、持ち上げて……ようやく叫んだ。

「どうした!」

 異変に気づいたユクシーが見た先には、頭部を抱え震え泣き叫ぶミヅキと、頭部をなくし、だらりと垂れた幼女の体。その情景を理解するよりも先に、ユクシーの背後からまた悲鳴があがる。見なくても何が起こっているのかわかった。先生、と呼ぶ声に振り向けば、目の前でその顔を切り裂かれる。まるでゴミでも捨てるように投げられた体を抱きしめ、ユクシーは生きていた時の少年の名を呼び、そっと抱きしめる。

「探すのに苦労したぜ」

 やがて子供の声は聞こえなくなった。少女のしゃくりあげる音だけが木霊する。ユクシーが視線をあげると、手の先で血のついたナイフを回しながら、退屈そうにユクシーを見下ろす黒髪の少年と目が合う。

 薄ぼんやりと紅に光る瞳からは、殺意や憎悪は感じられない。そこからユクシーは、彼は”仕事をしただけなのだ”と理解する。

「……どうして」

 ユクシーから漏れた言葉は、どこに向けてのものなのか説明はなかったが、少年は面倒そうにあくびをしながら、彼なりに答える。

「朝、レーダーに映ったんだとよ。今までは何も無い森でしかなかったのが、そこに生き物の反応を確認、恐らくは人型、氷獣の反応アリ。氷獣以外は邪魔なら殺してもかまねーってさ」

 人数いたら何してくるかわかんねーからな、こういうのは減らしとくのがセーカイなんだ、と淡々と話す彼からは、まるで部下に戦闘の基礎を教えるような感じさえある。

「……でも、結界が」

 こと切れた少年の亡骸をそっと地面に下ろしながら、ユクシーはうわ言を漏らす。言いかけて、はっとして、振り返った。心当たりが一つだけあったからだ。

 意味がわからないまま泣いているミヅキのそばへ行き、視線の高さを合わせ、顎を掴んで、静かな声で聞く。

「お前、朝、結晶花に触れたのか」

 ミヅキは答えない。言葉の意味が飲み込めていないのだろう。ふと思いつき、ミヅキの上着のポケットに手を突っ込むと、少し硬いものに触れ、それが何なのか直感で理解し、ユクシーはふふ、と笑う。取り出した花は、ミヅキが手に取った時よりもいっそう輝き、赤く、まるで燃えているようだ。

「……こういうことかよ」

 ミヅキが声を上げるまもなく、ユクシーはそれを地面に叩きつけた。粉々に砕け散った花の破片が、溜まった赤い液体の上で光る。ユクシーと目のあったミヅキは泣くのをやめた。声が出なくなったのだ。その時ユクシーが自分に向けていた感情は、今までのものとまったく違っていたからだ。

「で、なんでもいいから氷獣渡せよ。さっさと帰らねーとトキにイヤミ言われんだよ」

 その姿を見て、ミヅキは身をこわばらせた。それは、日本で追いかけてきた、幼馴染とまったく同じ姿をした殺人鬼だった。少年が手元のナイフを回す度に、ミヅキは息を呑むが、体は言うことを聞かず、逃げようという気にもなれなかった。自分もこうなるのだろうか、と、腕の中の生首を必死で抱きしめている。

 目の前のユクシーに助けを求めようとしたが、彼の自分を見る目付きに、もう友好的なものはないと悟り、ミヅキはただ諦めた。嫌な夢を見ているのだと、自分に言い聞かせていた。

「おいユクシー、大人しくそいつ渡さねーとお前がどーなるのかわかってんだろ、俺は知らねーけど」

 また一歩、少年が近づいた。身をこわばらせるミヅキから目をそらし、ユクシーはぼんやりと辺りを見回していた。昨日まで楽しく笑っていた子供らは、もう何も食べない。何も言わない。笑わない。遊ばない。目を閉じて、そんな彼らに黙祷を捧げた。

 何も答えないユクシーを面倒そうに睨みつけながら、少年は構わずミヅキに近づいていく。ミヅキは目をつむり、カノンの頭部を置いた。祈ったことのないような神に祈りを捧げたくもなったが、その宛名すらわからない。

 刹那、ミヅキは自分の体が浮いたのを感じた。驚いて目を開ける。

「いいから捕まってろ!」

 怒鳴られて、慌てて腕に力をいれる。電車にでも乗っているような速度。木々や草花のあいだを器用に駆け抜け、遊園地の絶叫アトラクションを思い出す。振り落とされないように、ミヅキは必死にしがみつく。朝と同じ、ユクシーの背中からは、あの温かさは感じない。

 背後から何かが頬をかすめ、気がつけば、ミヅキの頬から大量の血が流れていた。思わず悲鳴をあげ、力が抜けそうになるが、懸命にこらえる。ナイフだった。幾度も同じように背後から飛んでくるそれに、恐怖しながら、いっそうユクシーの背にしがみつく。

 途方もない時間に思えた追いかけっこが終わる頃には、ミヅキは気を失ってしまっていた。


 ぱち、ぱち、となる音に、ミヅキはなにかが燃えていると思った。ゆっくりと目を開けると体中が痛み、呻く。ゆっくりと起き上がると、川辺に焚き火、そのそばには知っている顔があった。ユクシーだ。起き上がったミヅキを一瞥すると、視線を逸らす。

「……あ、の」

 うまく言葉が紡げないまま、なんとかユクシーに話しかける。ユクシーは答えない。ミヅキはふらふらしながらそばへ行き、また、声をかける。……返事はない。

「……ね、ねえ」

 服のすそを掴んだミヅキの手を、ユクシーは思い切り払い除けた。ぱしん、と音がなり、ミヅキは拒絶された自分の手を見つめた。何が起こったのか、よくわからなかったのだ。

「ゆ、ユク、シー」

「……お前なんか」

 ユクシーはじっと焚き火の炎を見つめたまま、不安そうなミヅキのことなど目に入らないとでもいうように、独り言のように静かに言う。

「お前なんか引き取らなきゃよかった」

 お前のせいで全員死んだ。

 お前なんか嫌いだ。

 その日、それきりユクシーは話さなかった。ミヅキはユクシーに手を伸ばすのをやめ、同じようにしばらく焚き火を見、それからふらふらと川沿いに、宛もなく歩いた。

 ユクシーの姿が見えなくなった頃、暗い森の中で、思い出した地獄のような光景に、気持ち悪くなってそのまま吐いた。吐き気は収まらなかった。自分にほほ笑みかけていた幼女はもういない。突如飛んでいった頭部と美しいほど綺麗な首の断面を思い出し、吐いた。それから血を被った自分の匂いに気づき、また吐いた。

 吐瀉物に塗れながら、わけもわからず泣いた。誰かに縋りたいのに、縋れるものには拒絶され、ほかにはない。悲鳴とも叫びともつかない声をあげた。もはやそれはなんの感情なのか、ミヅキにはわからなかった。悲しいのか苦しいのか苛立ちなのか絶望なのか。

「……かい、とぉ、きたに、い」

 小さく呼んだ名前は、ここにはいない幼馴染と兄のものだった。呼んでも来ないなんてわかっているのに、何度も何度も名前を呼んで、また泣いた。


 やがて死んだように眠ってしまったミヅキを抱え、ユクシーは元の場所に戻り、自分の上着を敷いて、その上に横にしてやる。寝言なのだろう、誰かの名前を呼び続け、どこかへ手を伸ばすミヅキから離れ、息を吐いた。

 せんせい、と呼ばれた気がして振り向き、そこに誰もいないことを確認し……黙って俯く。

「ゆく……しい……」

 苦しそうに涙を浮かべるミヅキの目元を拭ってやってから、炎を消して、少し離れたところに横になる。

「……俺なんか嫌いだ」

 嫌味な程に美しい星空のしたで、ようやく二人は眠りについた。

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