第6話 コネクテッドな通信の話(その2)

ざっくり第1層から第4層の働きについて、前回お話しました。


IPAの試験と絡めて、もう少し深堀してみましょう。


リピーター、リピーター・ハブ、ブリッジ、スイッチング・ハブ、L2SW(エル ツー(または二)スイッチ)、ルータ、L3SW(エル スリー(または三)スイッチ)、ファイアウォール(FW)。

これくらいがIPA試験に出てくるネットワーク機器の名前です。

機能が同じでも規模の大小で名前が変わっているモノが含まれているので、整理しましょう。


・第1層(物理層)で動く機器

 一方から受信した信号を単純に増幅して、他方に出力する機器

 リピーター、リピーターハブ

・第2層(データリンク層)で動く機器

 イーサネットの場合、宛先MACアドレスで中継先を決める機器

 ブリッジ、L2SW(スイッチングハブ を含む)

・第3層(ネットワーク層)で動く機器

 IPネットワークの場合、IPアドレスとネットマスクで中継先を決める機器

 L3SW(ルータを含む)

・第4層(トランスポート層)以上で動く機器

 TCPやUDPの場合、IPアドレスとポート番号で中継先を決める機器

 ファイアウォール、アプリケーションゲートウェイ


試験問題でL3SWが出てきたら、L3SWに対して同じ線で繋がる機器は同じネットワーク、異なる線で繋がる機器は異なるネットワークと考えて出題を見る。

L2SWが出てきたら、第3層のことは処理しないので、同じL2SWに繋がっている機は同じネットワークと考えて出題を見ればよい訳です。


試験問題ですから、単純化するためにLAN(組織内、社内)からWAN(組織外、社外、インターネット)への出口は、まず1か所しかありません。

WAN側から単純化して書けば、だいたい

WAN→L3SW→ファイアウォール→L3SW→L2SW→サーバやPC

となるはずです。


出題者が着目している機器の間にどんな機器があるかで、どの層の振る舞いに着目すべきかが浮き彫りされてきます。ざっくり

 ・ファイアウォールがあれば、第4層以上に着目

 ・ファイアウォール無しだが、L3SWがあれば、第3層に着目

 ・ファイアウォールもL3SWも無しで、L2SWがあるだけならば、第2層に着目

と考えれば良い訳です。

複雑そうに見えるネットワーク図も、上記のポイントで見れば、すっきり見えるはずです。



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