第5話 コネクテッドな通信の話(その1)

コネクテッドと切り離せないのが、通信の話。


インターネットに常時接続しているから、connected = 接続済と呼んでいる訳ですが、通信料を考えると、ほんの数年前までやりたくてもできなかった世界です。


さらに、一か所に留まっていないクルマをconnectedにするには、通信の一番下位は無線を使って、走行する地域のほとんどの箇所で通信できて、通信料が安価(できれば従量制ではなく、定額制)でなければなりません。


狭いと言っている日本でさえ、新規に無線通信網を作れば何千億円単位の費用が必要なので、各社ともサービスを提供する国や地域の携帯電話網を使うのが前提になっています。


さて、上で『通信の一番下位』と書きました。

では通信の上位/下位って何でしょうか?


IT業界における通信の概念は、一般にOSI参照モデルという7層のモデル(概念)を用いて語られます。上位から

・第7層-アプリケーション層

・第6層-プレゼンテーション層

・第5層-セッション層

・第4層-トランスポート層

・第3層-ネットワーク層

・第2層-データリンク層

・第1層-物理層

です。


例えば、有線LANで普段使っているPCを持ち出して、スマホのWi-Fiテザリングを使っても、同じようにメールを使えるし、Webページを閲覧できます。

つまり、物理的に接続するもの(第1層)が、有線LANであろうと無線LAN(Wi-Fi)であろうと、上位のアプリ(第7層)から見れば、関係なく使えるように、いい感じに切り分けましょう、そして、切り分けた各層をお約束(プロトコル)に従って作りましょうという考え方です。


近年では、どの階層に当てはめるのが最適か悩むプロトコルも出てきて、7層モデルをでは使いにくいケースも出てきたりしますが、システム設計する際の強い味方です、


何よりも、IPAの情報処理技術者試験の通信問題の根っこにある考え方なので、ソフト屋としては、身に着けておきたい知識です。


それから、がコネクテッドの肝です。外界の通信は、よほど閉じた世界でなければ、『インターネット』で繋がっています。

をすると、『インターネット』は第3層のネットワーク層のプロトコルにIP(インターネットプロトコル)を採用したネットワークです。

第4層のトランスポート層のTCP(トランスミッション コントロール プロトコル)とUDP(ユーザ データグラム プロトコル)と同時に開発された経緯があるのでひとまとめにして、TCP/IPとして運用されています。


パソコンでいえば、LANケーブルとLANケーブルと直接繋がるLANアダプタ(ハードウェア)が第1層、LANアダプタごとにユニークなMACアドレスを紐づけて同じhub・同じネットワークに接続されている隣の席のPCと区別する機能が第2層、同じネットワークに居ないサーバまでデータを届けるのが第3層、同じサーバで複数のサービスを提供している時、サービス毎に異なる入り口を指定するのが第4層も働きと覚えてもらえば、実務的には大体用が足ります。


(次回に続く)

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