会いに行くよ…
なつ
会いに行くよ…
早いね…
この前、梅雨とか言ってたのに
もうすぐ
お盆だよ…
おばあちゃん
今年も会いに行くね
家族みんなで
あのね
私ね…
元の姓に戻っちゃった
おばあちゃん、怒るかな?
何しよるとね!って
でもね
名字が元に戻った事は
少し嬉しいの
離婚は…
大変だったよ
本当に辛かったよ…
これからも
女手一つで子供達を育てていけるのか
いろいろ不安だし…
あ!
それを言ったら
それこそ怒られちゃうね。
だって、おばあちゃんは
おじいちゃんを戦争で亡くしてからは
女手一つで
二人の子供を必死で育ててきたんだから。
そうそう、名字の事だけど…
兄妹がいないのに
親の反対を押し切って
古い家柄に嫁いで
名字が変わって…
本当はね…
夫婦別姓とか
いつかできるんじゃないか…とか
そしたら、すぐ変えれるじゃない?
とか
甘い事ばかり考えて…
でも
夫婦別姓なんて
いつまでも
できなくて…
お母さんがお父さんに
婿養子に来てもらってまで
守り続けた名前なのに…
それなのに
私は…って
ずっと後悔してたから
お寺にお参りに行って
名前を見る度に
心の隅が
チクチク痛んでたから…
ごめんなさいって…
でもね
今年からは真っ直ぐに
お寺で
名前を見れる
なんの迷いも動揺もなく
だって
これからは
私が守っていく名前なんだから
会いに行くよ… なつ @Aanonomi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます