かみさまとしんじゃのはなしをかきたかった

おぼえがき。そのうち推敲するかもしれないし、しないかもしれない。


こんなんじゃ、愛されはしないな~と思っていたかみさまが

しにかけの、すくいようのないしょうねんに感謝され、愛されて、救われたはなし。

・しょうねんはしにかけている。信仰心のたりないかみさまじゃ、うごかなくなってひさしいからだをなおすことはできない。だけどかれやかれのかぞくがあまりにかわいそうで、しぬまえに、ほんのすこし、しゃべれるていどにのどを、こえをなおしてあげた。しょうねんはかぞくに感謝と愛をつげて、じんせいをおえた。きづくと、しにがみがいた。しにがみは、なきがらがよこたわるべっどから、しょうねんからぬけおちたはねを1枚手にとって、かみさまにわたした。ありがとうと、かみさまにつたえたいというしょうねんのねがいをかなえてあげたのだ。それは感謝のしるしであり、しょうねんの生とあいのあかしだった。かみさまは、ひとをあいし、あいされることが、じぶんのうまれたいみなんだなあと思った。そうして、多くのひとびとをすくい、いやし、かみさまはかみさまとして、いきている。


しょうじょがかみさまのためにたびにでるまでのおはなし。

・しょうじょは農民のいえにうまれた。つつましやかといえばきこえはいいが、それなりにびんぼうなだけだった。だけど、しょうじょにはははがいて、ちちがいて、あにがいたから、それなりにしあわせだった。

・あるひ、あにとさんぽしていると、大鷲のはねをみつけた。「きっとぬけおちてしまったんだね」とあにはいう。それは、ふたりのちいさなぼうけんの証。しょうじょにとって、それは宝物になった。でもこともだったからなくしちゃうんだって。しかたないね。

・あるひ、むらにわるいひとたちがやってきた。ははもちちもころされた。あには、しょうじょに隠れているようにといって、しょうじょのもとからさった。かくれたのは、ちちのてづくりのたんすのおくの、でっどすぺーす。かくれんぼするときの、おきにいりのばしょ。なくしたとおもっていた大鷲のはねを、二人の思い出をぎゅっとにぎって、ただただ待った。けっきょく、あにはにどと、戻ってこなかった。

・声が聞こえなくなったのをみはからって、しょうじょはにげた。家の外にとびだすと、わるいひとにみつかってしまった。はしって、はしって、もりのなかをぬける。つりばしをぬければ、むらのそとにでられる。いきをきらしながら、つりばしまでかけた。夜だから、みえなかった。はしはもう、わるいひとたちが落としてしまっていた。

・からだじゅうが、痛い。がけからおちたのだ。だけど、にげなきゃいけなかった。ははが、ちちが、あにが、しんでしまった。だけど自分はいきている。だからどうしても、いきなければいけなかった。ひだりあしが、うまくうごかない。かばいながら、ひきずりながらあるいた。しばらくすると、からだじゅうがたえられないほどいたくなった。あるけなくなった。からだをひきずろうにも、もはや力ははいらなかった。口から出るおとがおかしい。もう息すら、うまくできない。しんでしまうかもしれない。

・しんでしまうかも、しれない。そんなの、おかしい。りふじんじゃないか。しょうじょは思う。しななければならないりゆうなど、だれにもなかった。ははも、ちちも、あにも。でもしんでしまった。あになど、じぶんのためにしんだようなものだ。こんなのはおかしい。どうして、こんなことになってしまったのか、こたえをさがしても、みつかりはしない。

・あめがつたうつめたさが、生きている証明になった。まだ、生きている。生きねばならない。わたしがだいすきなひとたちが、わたしをいかしてくれたのだ。だから、しんではいけない。意識をてばなさないように、思考をめぐらせつづけた。ひとつだけもちだしたたからものをぎゅっとにぎった。あめとつちでぐしゃぐしゃで、もう元のうつくしさは残っていなかった。でも、さいごにのこった愛のあかしだった。たすけてほしい。だれだっていい。たすけて。わたしは、たすけてくれた、あいしてくれた人たちのために、しぬわけにはいかないのだ。だから、生きたい。いかしてほしい。

・きがつけば、べっどによこたわっていた。ちゃんと、いきていた。「かみさまが助けてくださったのかもしれない」ときいた。たすけてもらったなら、恩をかえすべきだとしっていた。野生のくだものや、こじいんでくばられたやきがしを毎日もっていった。つぎのひには必ずなくなっていたから、かみさまはうけとってくれているらしい。そんなちいさなじじつが、うれしかった。

・あるひ、いつものように教会におとずれると、はねをささげているひとがいた。たずねれば「うつくしいはねを愛しておられる」らしい。だから、ささげるのははねときまっているのだと。わたしが毎日持って行ったたべものは、ねずみかなにかが食べたのだろう、と言われた。わたしには、はねははえていない。

・それなら、だれかにもらえばいい。わたしは、今でもいきている。だから、わたしを生かしてくれた。わたしをたすけてくれた、わたしをあいしてくれた、わたしがあいしているかみさまのために、わたしはあしたも、いきていこう。

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